■健康長寿に欠かすことのできないフレイル予防
高齢化が進んだ日本では平均寿命が伸び、加齢に伴う衰えは避けられないことからも、いかにして生き生きとした高齢期をより長く過ごせるかがとても大切です。
「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」を健康寿命といい、厚生労働省の報告では、平均寿命と健康寿命の差である日常生活に制限のある「不健康な期間」は、男性で約9年、女性では約12年となっています。この「不健康な期間」が長いほど、医療費などが増大することとなり、期間を短縮することが生活の質の低下を防ぐことにつながります。
健康寿命の延伸に重要となるのが、健康な状態と要介護状態の中間の状態を示すフレイル(虚弱)です。フレイルは、自分の状態と向き合い、予防に取り組むことで進行を抑えたり、健康な状態に回復させることができます。フレイルの兆候を見逃さず、生活の見直しなど予防に取り組むことが健康長寿には欠かせません。
■社会参加が重要な鍵
市では、令和2年度から東京大学高齢社会総合研究機構の研究開発に基づき、市民ボランティアのフレイルサポーターとともにフレイル予防に取り組んでいます。フレイルチェック測定会に継続的に参加している方の初回と4回目を比較すると、測定結果に改善傾向が見られました。
フレイルを予防する健康長寿の3つの柱である「栄養」「運動」「社会参加」は相互に影響しあっており、社会とのつながりを失うことがフレイルの最初の入口といわれています。
コロナ禍(か)を経てサークル活動の再開にあたり、「こんなに体操ってつらかったかな」と衰えを感じたり、「参加していたグループが活動をやめてしまってどうしよう」という悩みの声も届いています。
今の自分の状態を知ることができるだけではなく、フレイル予防の重要な鍵となる社会参加の場としてもフレイルチェック測定会への参加(本紙P6参照)をお待ちしています。
■eスポーツなど新たな取り組みを拡充
昨年度は(株)ロッテと協定を締結し、口腔の健康を基盤としたフレイル予防の取り組みを進めたほか、「ふじみフレイル予防フェア」を開催しました。今年度は日本薬科大学、(株)パル・オネストが運営するPALCAFE(パルカフェ)とフレイル予防メニューを開発したほか、eスポーツ体験講座を実施予定です。
7月13日(土)にはフレイル予防研究の第一人者である東京大学の飯島教授を講師に迎え講演会を実施(本紙P6参照)しますので、ぜひご参加ください。
■ポイント!フレイルの兆候を見逃さない!
フレイルは正しい対処で進行を抑えたり、健康な状態に回復することが見込める段階です。自分の状態を知り、フレイルの兆候を見逃さないことが重要です。
・体重が減ってきた
・疲れやすくなった
・かたいものがかみづらくなった など
■ポイント!社会とのつながりを失わない!
社会とのつながりを失うことはフレイルの最初の入口です。社会とのつながりがないと、心身のさまざまな面がドミノ倒しのように弱っていく傾向があります。
社会とのつながり→生活範囲→こころ→お口→栄養→からだ
◇健康長寿3つの柱
・栄養
バランスよく、みんなで楽しく、よくかんで食事をしましょう
・運動
散歩や買い物など外に出て、家でじっとしている時間を減らしましょう
・社会参加
ボランティア活動や趣味など、自分に合った活動を見つけましょう
■ポイント!自分の体の状態を知ることがフレイル予防への第一歩!
フレイルチェック測定会に4回参加した方の測定結果
・67人中44人(約66%)の結果が改善!
・最大で5項目も赤シールが減少!
※測定22項目の初回と4回目の結果(数が多いほどフレイルの可能性が高くなる赤シールの数)を比較
■やってみよう!指輪っかテスト
フレイルチェック測定会で行う指輪っかテストで筋肉量を簡単チェック!
自分の両手の親指と人さし指で輪をつくり、利き足ではない方のふくらはぎの一番太い部分を軽く囲んでみましょう。
※詳しくは本紙をご確認ください。
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