■富士見特別支援学校に通う児童生徒の保護者インタビュー
子どもの幸せ=私たちの幸せ(2)
◆子どもに贈る言葉
砂川:あなたの幸せが私の幸せです。遠回りしながらでもいいので、今を大切にしながら、将来のあなたの幸せを一緒に探していきましょうね。そして、手を差し伸べてくれる方への感謝の気持ちを伝えられる人になってください。
前園:うちの子はいつも笑顔でいて、一緒にいるこちらを幸せにしてくれる子です。これからもその笑顔を絶やさず、学校に通ってほしいなと思います。
重見:素直で純粋で楽しいことは全力で楽しいと表現する子で、周りの人をもうれしい気持ちにさせてくれる雰囲気を持っています。そういうところはこれからも持ち続けていってほしいと思います。あと、願わくば、病気にならないように、ちょっと痩せてほしいなと思います。おいしそうに食べるので、ついついお菓子をあげたくなっちゃうんですけど(笑)
3人のお話しを伺い、親の葛藤、子どもの幸せへの想いとともに、学校への感謝の気持ちを何度も話される姿に、富士見特別支援学校が子どものみならず、保護者の皆さんの心のよりどころになっているのだと感じました。
■後輩にエール!―大変なこともあるけれど、諦めないでほしい―卒業生から贈る言葉
令和4年度卒業生の2人は高等部から富士見特別支援学校に入学し、学校生活はとても楽しかったと振り返ります。また、現在は仕事がとても楽しいと、職場で生き生きと働く姿を見ることができました。
これまでの経験から、後輩には「大変なこともあるけれど、諦めないでほしい」と語る2人の姿に、少なからず将来に不安を抱えていたであろう子どもたちの心に寄り添う支援の大切さを感じました。
◆(株)JR東日本グリーンパートナーズで、JR東日本の制服発送業務などを担当
鈴木 健慎(けんしん) さん
特別支援学校では、先生を含めみんなが優しくて、気持ちが楽になり、自分も優しい人になろうと思いました。特別支援学校に通えて、人生が変わったと感じるし、通えて本当に良かったです。
○学校で学んだ大切にしていること
言葉遣いや目を見て話すこと
◆(株)富士薬品 ドラッグストア セイムスで商品の品出しや在庫管理業務などを担当
松木 崇紘(たかひろ) さん
特別支援学校では、話が盛り上がったときや、那須高原へ2泊3日で行った修学旅行など、楽しい思い出がたくさんあります。話しやすい友達、優しい先生方に出会えて良かったです。
○学校で学んだ大切にしていること
あいさつは言葉から発してお辞儀する「語先後礼」
■進路指導=生き方を伝えていくこと
単純に卒業後の進路先を決定するのではなく、小・中学部のうちから卒業後の生活を意識し、あいさつ、身支度、身だしなみ、生活リズム、自分の役割を果たすなど、社会での自立に必要な資質・能力の育成を行っています。
・高等部では1年生のうちから現場実習を実施することで卒業後をイメージ!
・工房ゆい、むさしの作業所をはじめとする福祉事業所などに就職実績あり
■「共生社会」を咲かせよう
―大地にのびた ひまわりは はじめは小さな ひとつの種 ぼくもわたしも 陽をあびて 大空むかって のびようよ からだいっぱい いきすって 強いちからで のびようよ―
~富士見特別支援学校 校歌の一節より~
インクルーシブ教育の課題の一つに、専門的な知識をもつ教員や支援員の不足など、環境整備が十分に行われない理念先行の性急なインクルーシブ教育の導入が挙げられます。その点、本市は特別支援教育のフロントランナーとして、半世紀も前からみんなが笑顔になる教育を進め、児童生徒と保護者から信頼される教職員、あたたかく見守ってくれる地域の人々という土壌が整っています。
取材を終えて、笑顔で元気に過ごす子どもたち、そして卒業生の「みんなの優しさに救われ、自分も優しい人になろう」「みんなも諦めないでほしい」と語る姿に、支えられる側から支える側への成長を伺うことができました。一人ひとりが少しでも、他者を思いやり、優しさが広がれば、誰もが住みよい世の中になっていくと、富士見特別支援学校の皆さんから教わることができました。
校歌にあるように、どんなことでも、はじめは小さな種。一人ひとりが力いっぱいその芽を伸ばし、咲かせていくことが大切です。
―さあ、富士見市から「共生社会」の花を咲かせましょう―。
■あなたの力を待ってます! 学校応援団
手工芸や農園芸などの学習支援活動、登下校の見守りなどの環境支援活動、学校行事など、子どもたちと一緒に富士見特別支援学校で活動してみませんか。
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