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自治体の皆さまへ

空き家の心配、解消のススメ(1)

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埼玉県川島町 クリエイティブ・コモンズ

近年、空き家が生活環境に大きな影響を及ぼし、全国的な問題となっています。空き家問題は、いずれ誰にでも起こりえる問題であり、決して他人事ではありません。「空き家になったらどうすればいいんだろう」と不安を抱える方も多いと思います。そんなあなたを支える町のサポートがあります。
今お住まいの住宅が「空き家予備軍」とならないよう、ご家族やご親族と対策を考えてみませんか。

空き家は、「空家等対策の推進に関する特別措置法」で、「概ね年間を通して居住やその他利用がされていない建築物」と定義されています。しかし、空き家といっても、定期的に管理されているものや売却・賃貸のために空き家になっているもの、所有者が遠方に居住し管理がされておらず老朽化しているものなど、その状態は様々です。
住むことができる空き家であれば、売却などの利活用が可能です。ところが、管理がされていない空き家は老朽化が進み、地域住民への迷惑になるばかりでなく、事故が起きた際に損害賠償責任を負う場合もあります。
このようなことから、地域に悪影響を及ぼすような空き家にしないためには、早めの対策が必要となります。町では、切迫した空き家問題を解消するため、令和5年度から専任部署を設置して対策を強化しています。また、施策の立案のために、明治大学政治経済学部 西村弥(わたる)教授のゼミナールと共同研究を行いました。
この研究成果を基に町の実情に即した「川島版空き家対策(川島モデル)」を、令和6年度から運用しています。
町が実施しているサポート事業をご確認いただき、ぜひお気軽にご相談ください。
・町内の空き家(推計)…約770戸
・対策が必要な空き家…約140戸
少子高齢化による人口減少などに伴い、この数は年々増加しています。
出典:平成30年住宅・土地統計調査(総務省実施)

■空き家を手入れしないと…。
・隣家や道路にまで草木や雑草が伸びる。
・電線にかかるくらい、庭などの木が生い茂る。
・屋根や外壁、塀が老朽化し、崩れ落ちる。
・壁に穴があいたり、窓ガラスが割れたりして、家の内部が見えるようになる。
・小動物などが侵入し、棲(す)みつく。
・老朽化により家が傾く。
上記はほんの一例ですが、時間が経てば経つほど状態は悪化してしまいます。

地域に悪影響を及ぼすほど老朽化が進むと法に基づき、町が「特定空き家」として認定

■「特定空き家」に認定されると…。
○税額が高くなる場合があります。
改善措置を行わないと、固定資産税の税額が高くなる場合があります。

○解体などの措置が強制的に行われる場合があります。
町は、改善の見込みがないと判断した場合、法定手続きを行ったうえで行政代執行(解体などの措置)に踏み切る可能性があります。この行政代執行に掛かった費用は、すべて空き家の所有者などが負担することとなり、場合によっては財産の差し押さえや処分によって強制的に徴収されます。

■[特集企画]明治大学学生と飯島町長、空き家問題を考える。
町と明治大学西村ゼミの共同研究の成果である、「川島版空き家対策(川島モデル)」は、令和6年度から本格運用が始まりました。研究に携わった学生と飯島町長が、研究の背景や町の取組みについて対談しました。

・泉宗範(いずみむねのり)さん
町内20件の空き家を現地調査。
・辻村宝士(つじむらたかと)さん
15人が所属する西村ゼミのゼミ長として、共同研究を取りまとめた。
・杉田悠斗(すぎたゆうと)さん
各自治体の補助制度を研究。
・盛田健(もりたけん)さん
管理されていない空き家へ行政が行う、強制解体の事例を研究。
・松本諒太(まつもとりょうた)さん
ワンストップ相談を研究。川島モデルを提案。
・平野(ひらの)ほの花(か)さん
空き家所有者にインタビューを実施。空き家対策協議会についても調査。
・関絵璃香(せきえりか)さん
空き家バンク制度を調査。
・前久保彩加(まえくぼあやか)さん
移住者による空き家問題解消事例を研究。
・山本明依(やまもとめい)さん
富山県上市町の0円空き家バンクを研究。

○町の空き家を調査して
町長:本日は、共同研究に取り組んだ皆さんから色々な意見を伺いたいと思っています。まずは、町との共同研究でわかったことを教えてください。
辻村さん:町の空き家問題解消に向け、町とゼミで熱意を持って、各自担当した分野で研究を行いました。
泉さん:まず町の現状を調べるために、実際に町内の空き家を訪問し、物件の様子や電波状況などを調査しました。調査するまでは、正直空き家へのイメージが湧いていませんでした。でも、住める状態かどうかなど、物件によって状況が全く異なっていて…。そのため、個別の事情に合わせた対策が必要だとわかりました。
平野さん:所有者の方へ行ったインタビューでは、「何から手をつければいいのかわからない」という声を多くお聞きしました。インタビューが、親族間で空き家のことを考える良いきっかけになった、というお言葉も頂きました。
松本さん:現地調査やインタビューで、所有者の方が相談できる場所がないことが課題だとわかりました。そこで、一つの窓口で相談から問題の解消までできる、ワンストップ体制の相談窓口があると、町民の皆さんは安心できるのではと思いました。

○空き家を売りたい・買いたいをつなぐ
関さん:売却ができそうな物件については、空き家バンク制度の利用ができます。この制度は、空き家を売りたい・貸したい人と空き家を買いたい・借りたい人をつなぐ制度です。物件情報に加え、町の情報をWEBサイトなどで紹介することで、空き家を活用したい方とのマッチングの機会が増えることが期待できます。
山本さん:買い手などがなかなか見つからない空き家については、物件の無償譲渡ができる、0円空き家バンク制度の活用を、所有者の方へ提案していくことも問題解消の方法の一つです。

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