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自治体の皆さまへ

ロコモティブシンドロームを知りましょう!-いつまでも自分の身体で健康に過ごすために-

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埼玉県幸手市

■東埼玉総合病院 埼玉脊椎脊髄病センター
金井(かない)優宜(まさよし)氏

ロコモティブシンドローム(ロコモ)をご存じでしょうか。2007年に日本整形外科学会が提唱した症候群で、和名で言えば「運動器症候群」と呼ばれ加齢に伴う筋力の低下や関節、脊椎の病気、骨粗しょう症に伴う骨折などで立つ、歩くといった移動能力が低下した状態のことを指します。移動能力の低下の結果、要介護、寝たきりになる危険性が高まってしまいます。事実、厚生労働省から発表されている2022(令和4)年国民生活基礎調査の概況によると、介護が必要になった主な原因の構成割合として骨折・転倒は13・9%(全体の第3位)、関節疾患は10・2%(全体の第5位)、脊髄損傷は2・2%(全体の11位)を占め、ロコモに関わるこの3疾患だけで全体の26%以上を占めております。また、ここ幸手市ではどうかというと幸手市高齢者福祉計画・第9期介護保険事業計画(アンケート調査報告書)によりますと複数回答ありのため直接比較は難しいものの、介護が必要になった原因として骨折・転倒は19・6%(全体の第3位)、骨粗しょう症、脊柱管狭窄症は14・9%(全体の第5位)、関節の病気は6・7%(全体の第8位)、脊椎損傷は4・4%(全体の第12位)に挙げられており、わが国全体より高齢化がさらに進んでいる当市でも運動器疾患が介護に直結する現状は変わりません。それゆえ、ロコモを正しく認識し、その予防に取り組んでいくことはご本人ならびにご家族、地域社会にとって今後ますます重要になってくることと思われます。
さて、ご自身やご家族がロコモかもしれないと思われた方に簡易的にロコモの可能性があるかどうかをチェックする方法(ロコチェック)があります。次にあげる日常生活に関わる7つのシーンを思い浮かべてみてください。
(1)靴下が片足立ちではけない
(2)家の中でつまずいたりすべったりする
(3)階段を上がるのに手すりが必要である
(4)掃除機の使用や布団の上げ下ろしなどの家のなかの重い仕事が困難である
(5)2kg程度(1リットルの牛乳パック二個程度)の買い物をして持ち帰るのが困難である
(6)15分くらいつづけて歩くことができない
(7)横断歩道を青信号で渡りきれない
いかがでしょうか。この中に当てはまる兆候はありませんでしょうか?一つでも当てはまる事項がある方はロコモの疑いがあります。
今年(2024年)10月19日(土)にアスカル幸手にて市民公開講座を開催する予定です。その際にロコモ度テストができるブースをご用意する予定となっておりますので、先ほどのロコチェックであてはまった方は是非、ご来場いただきロコモ度テストを受けてみましょう。そして、ご自身の運動器について今一度見直していただき、この地域で長く健康に自立した暮らしができるためのきっかけにしましょう。

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