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〈特集1〉~次代を担う志木っ子を育む~志木市小中一貫教育がはじまります(2)

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埼玉県志木市

■教育の最前線~先生が語る小中一貫教育~
小中一貫教育を推進する取り組みを進めている中で、各中学校区の先生たちがどのような変化を感じているのかを伺いました。

□生徒と先生がお互いに理解しあえる
志木中学校 鈴木直樹(すずきなおき)先生(音楽)
私が小学校への乗り入れ指導をするようになったのは、中学校で歌唱の指導を行っていて、中学生からの指導では限界があると感じていたからです。小学生の時期から基礎や基本の指導ができていたなら、中学生になってもさらに可能性が広がると考えていました。以前勤務していた志木第二中学校では志木第二小学校、志木第四小学校の4年生に乗り入れ指導を行っていました。その成果は本当にすばらしいもので、小学校の指導とのつながりの大切さを改めて感じることができました。
小学4年生から歌唱・器楽・鑑賞の基礎や基本を学ぶことにより、5・6年生でさらに伸ばすことができます。そして中学生になり、小学4年生のときに教えた生徒と再会し、生徒と先生がお互い理解しあえる関係で授業を行うことで、基礎や基本を習得している生徒が多く、より高いレベルでの授業をすることができました。現在の志木中学校区においても小中一貫教育に力を入れて取り組んでいきます。

□小学校と中学校の架け橋に
宗岡中学校 山浅美里(やまあさみさと)先生(体育)
小学校から中学校へ人事異動したことで、改めて学習面や部活動で求められる「自主自律」が、小学校と中学校での違いとして見えてきました。中学校に進学すると、自ら目標を設定・計画・実行する力が必要になります。また、自分で自由に決めて実行することができる反面、結果に対する責任が生じるほか、小学校と比べ、何事にも一人で行う必要が出てきます。その結果、中学生は一気に社会への道を進みはじめる時期と感じました。
そこで、2点意識していることがあります。1点目は、生徒の窓口になることです。小学校と違い教科担任制になるため、多くの先生と関わる中で、生徒にとって相談しやすい大人の一人となれるように意識しています。2点目は成長を見取り、指導することです。小学生の頃を知っているからこそ、成長した面を見つけて指導することができます。何か行動を起こすときに、失敗はつきものです。失敗という結果のみに目を向けるのではなく、その過程での成長に目を向けて指導していきます。小中一貫教育の推進のため、小学校と中学校の架け橋になれるように日々精進したいと思います。

□より分かりやすく、充実した指導へ
志木第二中学校 川口希美(かわぐちきみ)先生(数学)
小中一貫教育推進教員として、令和3・4年度に志木第二小学校、令和5年度に志木第四小学校、そして本年度は志木第二中学校で授業を行っています。
私は長い間、中学校で数学教員として勤務し、年に数回ほど小学校の授業を参観させていただくことがありました。実際に小学校で勤務すると参観だけでは知ることができなかった小学校の先生方のきめ細かな指導に驚くことが多くありました。また、小学校に勤務することで得た指導方法を取り入れることによって、中学校段階の授業がより分かりやすくなったり、補充的な指導が充実することに気がつきました。
さらに、小学校の指導と中学校の指導の両方の経験をすることにより、教科の系統性に対する理解が深まり、児童生徒が学習でつまずきやすいところを経験的に学ぶこともできました。小学校高学年における教科担任制の導入によって、義務教育9年間の見通しを持った教科指導が、より充実すると感じています。

□教育課題を乗り越えるために
宗岡第二中学校 伊藤大輔(いとうだいすけ)校長先生
「多岐に及ぶ教育課題を乗り越えるには、義務教育9年間を俯瞰(ふかん)的に捉えることが大切です。『小学校はここまで。中学校はこれだけ。』と学校段階に固執する限り、義務教育の輪郭をつかむことはおろか、課題の整理にすら行き着きません。」年度当初、宗岡第二中学校区(宗岡せせらぎ学園)の先生方を前に私が伝えたことです。
とはいえ、教育観の刷新は一筋縄では行きません。教職員一人一人が大切に培ってきたものだからです。そこで今年度の研修では、日々進行する教育内容を学びと育ちに再整理し、系統を立て直すことに力を注いでいます。「小学校段階での丁寧な指導方法を取り入れたことで、生徒の漢字学習への関心が高まった。」「情報共有の仕方を中学校に学び、組織運営の改良を進めた。」などの声が聞こえはじめています。こうした小さな気づきや営みこそ先生方の変容の表れです。そして、その蓄積こそ「ふるさと宗岡を愛し、誇りを持って、地域に貢献する子供を育成」する推進力にほかならないと私は信じています。

問合せ:学校教育課
【電話】048-456-5367

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