皆さんは「思い出の給食」と聞くと何を思い出しますか?
揚げパン、カレーライス、フルーツポンチなど、毎日の給食は学校に来る楽しみのひとつになっていたのではないでしょうか。
今月は、学校給食に関わる人のさまざまな想いやそれを受け取る子どもたちの声をお届けします。
■こだわりあふれる志木市の学校給食 〜埼玉県一おいしい給食を目指して〜
約62年前からはじまり変化を続ける志木市の給食。現在、志木市立小・中学校の給食は、各学校の栄養士(栄養教諭)がそれぞれ献立を作成し、校内の給食室で調理しています。
栄養バランスに配慮し、素材の味を伝えることができるよう薄味にするなどの工夫をしているほか、子どもたちに喜んでもらえるよう、伝統的な行事食を取り入れたり、ときには子どもたちからのリクエストにも応じています。
市独自の主なこだわりポイント:
(1)旬の地元野菜を使用して季節感を出す。
(2)普段の食生活で不足しがちな魚・大豆(製品)・芋類などの摂取を工夫する。
(3)だしは、煮干し・削り節・豚骨などから取り、本来の味を生かす。
(4)加工食品はできるだけ使用せず、手作りを心がける。
□修学旅行で京都・奈良へ行く3年生に向けた「郷土料理給食」
メニュー:・丹後(たんご)のまつぶた寿司・飛鳥汁・黒糖わらびもち・牛乳
・丹後のまつぶた寿司
京都の丹後地方でお祝い料理として親しまれています。この日は280個の玉子を使い、薄く焼いて細かく切った錦糸卵や「青魚の王様」と呼ばれるほど栄養価の高いさばをそぼろ状にしてすし飯に混ぜ、野菜などで彩り豊かに飾りました。
・飛鳥汁
奈良の伝統料理で、飛鳥時代に宮廷に献上されていた牛乳を入れて作られたのが起源とされています。みそ汁に牛乳を入れることでまろやかな味になるのが特徴的で、小松菜やごぼうなどの野菜も多く入っています。
・黒糖わらびもち
わらび粉の名産地である奈良県を中心に関西で作られるようになり、今では夏の定番和菓子として全国的に人気のある一品です。もっちりとコシがあって喉ごしの良いわらびもちを作るには、熱い鍋の中でよく混ぜながら焦がさないように練り上げることが大切で、調理員さんの技術が光ります。
■学校給食を支え、新鮮な食材を提供する生産者
市では、地元農家で栽培している黒米や野菜を使った給食も提供しています。
子どもたちの大切な給食を支える生産者に、栽培をするうえでのこだわりや今後の目標を尋ねました。
□栄養素が豊富な黒米を志木っ子に食べてほしい
秋ヶ瀬農園 金子雄一(かねこゆういち)さん
約4年前、市内小学校の栄養士さんに声をかけていただいたのがきっかけで、ほかの市町村の給食ではあまり使われていない黒米を、子どもたちが安心して食べられるよう減農薬栽培を心がけ提供しています。
黒米は、白米に比べてビタミンやミネラルなどの栄養素が豊富で、身体の成長に重要な役割を果たしているほか、特に多く含まれるポリフェノールには、眼病予防や美肌効果、胃の健康を保つ働きがあるとされています。
また、黒米は暑すぎると綺麗な黒色にならないため、その年の気候にあわせて田植えの時期を調整しています。
これからも子どもたちの成長の一助になれるよう、良質な黒米を作り続けます!
・黒米を使ったカレーライス
・パンチビーンズ
・3群野菜たっぷりサラダ
レシピを教えてほしいとの声が続出:
ゆでた豆(黄大豆・青大豆・金時豆)にでんぷんをまぶして油で揚げ、ガーリックパウダーやチリパウダーなどで味付けをした、香ばしさと若干の辛さがやみつきになるメニューです。パンチビーンズなど給食で人気のあった献立は、志木中学校ホームページで公開していますのでぜひご覧ください!
□安全な野菜を届けるため栽培にこだわり続けています
三枝農園 三枝晃男(みえだてるお)さん
三枝農園では、枝豆、きゅうり、小松菜、ほうれん草、大根、白菜、かぶなどさまざまな野菜を栽培し、宅配食材や市内スーパー、給食に提供しています。
農薬を使用して育った野菜は、食べ続けることで身体にさまざまな影響を及ぼすおそれがあるといわれているため、農薬はできるだけ使用せず、研究を重ねながら特に枝豆やほうれん草などは自然由来成分のものを使用しています。
また、約30年以上前から炭栽培を取り入れ、炭の特徴である高い吸収性を生かして、水や土の中の有害物質を吸着作用で取り除くほか、微生物のすみ家を作り活性化させることで、野菜が元気に育つための土づくりにも力を入れています。
今後も、農薬をできるだけ使わない野菜づくりの大切さを多くの人に伝えながら、家族に食べてもらうような気持ちで、安全かつおいしい野菜を地域の人たちに届けていきたいです。
((2)へ続く)
問合せ:学校教育課
【電話】048-456-5366
<この記事についてアンケートにご協力ください。>