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〔特集〕未来につなぐ、平和への願い

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埼玉県所沢市

■所沢市平和都市宣言
武蔵野の緑豊かな自然のなかで、やすらぎに満ち、健康で生き生きとした日々を送ることが、私たち市民共通の願いです。

私たちは、国是の非核三原則を厳守し、戦争という過ちを繰り返さないことを願うとともに、限りある資源を大切にし、かけがえのない地球環境を守り、平和な世界が確立されることを強く望みます。

所沢市民は、基地全面返還を求め、未来に向かって平和な社会を築くことを誓い、ここに平和都市を宣言します。

一九九六年六月二十二日議決 七月一日告示

戦争のない世の中を守り続けていくために、今を生きる私たちは平和の尊さをきちんと認識し、これまで続いてきた平和への取り組みや願いを次の世代へとつないでいかなければなりません。
終戦から79年目の夏。平和の語り部や平和大使たちの声に耳を傾け、平和を願いましょう。

◆戦争時の所沢地域
1941年から始まった太平洋戦争は、人々の生活を一層悲惨なものにしました。
所沢地域も例外ではなく、1943年から空襲が始まり、1945年の所沢町の事務報告書によると同年の被害が、死者15人、負傷者16人、家屋への被害65棟など、所沢地域に大きな被害をもたらしました。
所沢地域の住民にとっても、生活の場が戦場となりました。

■平和を語り、次の世代につなぐ。
「平和の語り部」は被爆または戦争体験者が、ご自身の体験などを基に、平和の尊さを後世に伝える活動をしている方々です。語り部の3人に平和についてのメッセージをいただきました。

◇平和の語り部 杉本孝一郎さん
戦争がなく平和で、自分の夢が叶うようなそういう時代は黙っていても築けない。私は平和の語り部として言葉を発し、多くの人に共感をしていただいて、一緒になって平和な時代を築いていきたいんです。
次世代の方々には「思いやり」の気持ちが平和な世界につながっていくことを伝えていきたいと思っています。

◇平和の語り部 山中茉莉さん
核兵器の怖さと戦争の愚かさを話すことができるのは、被爆者にしかできない神様からいただいた役目だと思っています。
私の話を子どもたちが一生懸命聞いている姿を見ると、嬉しくて涙が出そうになります。
被爆体験から命の大切さ、人の尊厳などを学びました。平和の語り部として、それらを次の世代に伝えていきたいと思っています。

◇平和の語り部 中島寿々江さん
核兵器の恐ろしさを1人でも多くの方に聞いていただきたいです。
そして、自分が世界の平和を担っていく、自分の力で世界を平和にしていこうと考えることができる人になっていただけたら嬉しいと思っています。感謝を忘れず、思いやりの気持ちで、人付き合いができる世の中になってほしいと願っています。

◆平和を語る会
悲惨な戦争体験を風化させることなく後世に伝え、平和な世界を未来につなぐために「所沢市平和を語る会」を行っています。「平和の語り部」の皆さんが、小・中学生や市役所の新規採用職員に対して戦争の凄惨(せいさん)さなどを語り継いでいます。

■平和を学ぶ。そして、未来につなぐ。
◆将来を担う若い世代が広島平和記念式典に参列しています
2007年から、毎年8月6日の広島平和記念式典に、所沢市の将来を担う若い世代の方々が平和大使として参列しています。被爆地である広島に赴き、被爆施設や平和記念資料館を通じて原爆や戦争の悲惨さ、平和の尊さを再認識する機会となっています。

◇令和5年度平和大使 北島綾香さん(高校3年生)
学校では、戦争を歴史の一部としてしか学ばなかったため、どこか他人事のように感じてしまっていました。
実際に広島へ足を運び、平和大使の活動を経験したことで、戦争で原爆の被害にあった唯一の国に生まれた私たちが、戦争の痛みや平和の尊さを積極的に学び、当時の人々の心に自然と一人ひとりが思いを寄せて平和への思いを受け継ぐことが大切だと思いました。

◇令和4年度平和大使 小林正幸さん(大学4年生)
戦争や平和の歴史的事実は、これまでも学んできましたが、実際に広島に行ったことで平和な世界がなぜ続いているのか、いつまで続くのだろうかと、一歩踏み込んだ視点で考えるようになりました。
平和な世界を維持していくために、私たちのように戦争を経験していない世代が、過去の日本の悲惨な歴史などに関心を持ち、継承していきたいと思います。

◆平和祈念資料展
2005年から、毎年市所有の広島・長崎の被爆関係パネルの展示などをしています。
日時/場所:
8月2日(金)~15日(木)/市役1階市民ホール
8月16日(金)〜23日(金)/小手指まちづくりセンター分館

◆戦没者追悼式
戦争で亡くなられた方のご冥福を祈り、平和を祈念するために毎年開催しています。
日時:11月8日(金)午前10時~10時50分
場所:所沢まちづくりセンター

■核兵器の廃絶と平和への願いを敷石にのせて
市役所の西口玄関前にある被爆敷石は、1984年に当時の広島・所沢の両市長に交流があったため、広島市から寄贈されたものです。広島市に原子爆弾が投下されたときに、同市庁舎前の敷石として使われていました。現在、県内では3カ所でのみ設置され、全国的にも貴重なものです。毎年8月に核の廃絶と平和への願いを込めて敷石に献花、献水を行っています。

現在もロシアのウクライナ侵攻を始め、地球上では常に戦争が起きています。日本は、世界で唯一の戦争での被爆国として、核兵器や戦争の恐ろしさを世界の人々に伝え、後世に語り継がなくてはなりません。平和な世界が未来につながるように、皆さんも平和について考えてみませんか。
◎8月の市長タウンミーティングのテーマは「平和・基地返還」です。詳細は本紙8面をご覧ください。

問合せ:企画総務課
【電話】2998-9046

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