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かすかべ今昔絵巻

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埼玉県春日部市

◆103 かすかべの文化財 vol.22
11月といえば、公園や寺社などのイチョウが黄葉する季節です。
市内には樹木を天然記念物としているものが5件ありますが、今回はイチョウが天然記念物となっているものや、イチョウと関連のある文化財について紹介します。
新方袋にある満蔵寺(まんぞうじ)のお葉附きイチョウは、イチョウの実が葉の付け根に実り、枝も水平もしくは下向きに伸びる珍しい樹木であることから、1954(昭和29)年10/23に県指定の天然記念物となりました。
春日部駅西口にある秋葉神社の夫婦松は、イチョウとマツが根本で一緒になり、地上1メートルの所から分岐する珍しい樹木であることから、1988(昭和63)年7/25にイチョウとマツの両樹木を市指定の天然記念物としました。名称のとおり、昔はこの場所に秋葉神社があり、神社の御神木でしたが、春日部駅西口の開発に伴い神社は南に移転しています。
八木崎駅近くの春日部八幡神社の参道入り口には、市指定有形文化財『都鳥(みやこどり)の碑』があります。在原業平(ありわらのなりひら)の隅田川における伝承などを伝えるため、1853(嘉永(かえい)6)年に建立されましたが、その碑文には「元弘(げんこう)のとしさかみの国鶴岡の銀杏の一えた飛来りて、ひとよのほとにおひたてけり」とあり、神社創建時の1331~1334年(元弘年間)に鎌倉の鶴岡八幡宮のイチョウの一枝が飛来し、一夜のうちに成長した伝承が記されています。
深まりつつある秋の中、イチョウの黄葉を愛(め)でながら、市内にある珍しい樹木や古くから伝わる伝承に思いをはせてみてはいかがでしょうか。

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