■花だより
門倉緑地係長
寒露(かんろ)…草花に冷たい露が宿る頃。
秋と言えば残念ながら台風!貿易風と偏西風にもてあそばれて西に行ったり東に来たり。そのたびに、全国のユーカリ圃場(ほじょう)が心配で一喜一憂してしまいます。これがなければ、いい季節なのですが…
動物園は秋が進行中です。なかでもキンモクセイは、目でもかおりでも秋を感じさせてくれます。丈夫なことから庭木としてよく使われていますが、動物園でも駐車場には動物のかたちに刈り込んだキンモクセイを見ることができます。普通、刈りこみに向くのはツゲなどの葉の細かい木ですが、生育旺盛なキンモクセイも良く刈り込みに耐えています。
キンモクセイは雌雄異株(※)。日本では花の多い雄株だけが輸入され、挿し木で増やした株が日本中をせっけんしているようで、実をつけることがないのですが、原産地の中国では、もちろん雌株もあり実もつくのだとか。ネットで検索すると、ヒスイ色のアオキの実のような写真を見ることができます。
同じく秋の雌雄異株としてイイギリを牛舎で見ることができます。漢字で書くと飯桐。桐といっても500円硬貨に描かれている桐の仲間ではありません。昔、大きなハート形の葉っぱで飯を包んだからだとか。雌株はブドウのように鈴なりの赤い実をたくさんつけて、鳥たちを魅了することでしょう。秋の赤い実は枚挙にいとまがありません。
キンモクセイ:モクセイ科モクセイ属。中国原産の常緑小高木で、秋にオレンジの小さな花をつけ、甘い芳香を漂わせる。
イイギリ:ヤナギ科イイギリ属。日本、東アジア原産の落葉高木。落葉後も実が残り良く目立つ。実の中は種が多くて意外と鳥に不人気という話も。
(※)雌雄異株・・・雌花と雄花を別の株につける植物のこと。
埼玉県こども動物自然公園
〒355-0065 岩殿554
【電話】35-1234【FAX】35-0248
開園時間等はホームページをご確認ください。
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