~園長おすすめ マヌルネコ~
■おばあちゃんネコ
田中理恵子(たなかりえこ)園長
動物園には2種類の野生の猫が暮らしています。スナネコとマヌルネコ。どちらもトラやライオンに比べると小さくてかわいらしい猫ですが、よく見ると眼光鋭くなかなかワイルドな面構えです。その中でダントツ長寿のおばあちゃん猫がマヌルネコのタビーです。
15歳のタビーはこれまでに7頭の子を産み、子は国内やアメリカの動物園に婿入りや嫁入りしていきました。そしてそれぞれの場所でさらに繁殖に成功し、今やタビーは知る人ぞ知るマヌルネコ界の「ビッグママ」なのです。
残念ながらみなさんはタビーに会うことはできません。高齢なため冷暖房完備のバックヤードで暮らしているからです。若い時は軽々飛べた高い段差も今は難しくなり、飼育スタッフが低い階段を細かく作って移動できるようにしています。さらに滑ってけがをしないように表面には滑り止めもしっかりつけて。季節ごとの換毛もなかなか進まないので、家猫用の換毛グッズなどを設置しています。寒い日はスタッフ特製日なたぼっこルームでごろんごろんする時も。そんなふうにのんびり過ごしている姿を時々SNSでお知らせすると、びっくりするほど多くの人がアクセスし、やさしいコメントをくださいます。
高齢猫をお家で飼っていらっしゃる人は、「あー、うちの猫と一緒だ」と思われるかもしれませんね。動物園では、飼育技術や医学の進歩で高齢動物が昔に比べて増えています。お年寄りの動物たちがいつまでも元気にすごせるように、飼育スタッフの見えない努力が裏側では繰り広げられています。
※2月号は植物ZOO鑑です。
○埼玉県こども動物自然公園
〒355-0065 岩殿554
【電話】35-1234【FAX】35-0248
※開園時間等はホームページをご確認ください。
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