■国指定重要文化財(くにしていじゅうようぶんかざい) 木造阿弥陀如来坐像(もくぞうあみだにょらいざぞう)~文化財調査(ぶんかざいちょうさ)に必要(ひつよう)なこと~
文化財を調(しら)べるときには、文化財そのものだけではなく、それが造(つく)られた当時(とうじ)の状況(じょうきょう)も一緒(いっしょ)に調べ、想像(そうぞう)しながら進(すす)めていくことが必要です。
等覚院(とうがくいん)(古凍(ふるこおり))にある木造阿弥陀如来坐像は、ヒノキの木材(もくざい)を組(く)み合(あ)わせて造られた仏像(ぶつぞう)です。
胎内(たいない)(胴体(どうたい)の内側(うちがわ))に、建長(けんちょう)5(1253)年に大檀那阿闍梨明秀(だいだんなあじゃりみょうしゅう)という人物(じんぶつ)が寄付(きふ)を集(あつ)め、仏師(ぶっし)である僧定性(そうじょうしょう)に修理(しゅうり)させた、という墨書(すみが)きがありました。
「修理」ということから、仏像ができたのはこれより前の鎌倉時代初(かまくらじだいはじ)めごろと解釈(かいしゃく)されてきましたが「修理」という言葉(ことば)には当時「造る」という意味(いみ)も含まれていたことなどから、建長5(1253)年こそが、この仏像を最初に造ったときと考えることもできます。
問合せ:埋蔵文化財(まいぞうぶんかざい)センター
【電話】27–0333【FAX】27–0334
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