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埼玉県東松山市

■盆石(ぼんせき)
皆さんは「盆石」についてどれくらいご存知でしょうか?今回は日本古来の伝統芸術である盆石の世界で活躍する、華頂遠山流家元(かちょうえんざんりゅういえもと)の幽真庵(ゆうしんあん) 山本清含(やまもとせいがん)さんをご紹介します。
盆石とは様々な種類の盆の上に自然石や白砂を用いて自然の風景を描くもので、約1400年前の飛鳥時代が起源といわれています。平安時代には貴族・僧侶のたしなみとして受け継がれ、旅の思い出などを詠んだ和歌の景色を盆上に再現しました。その後、江戸時代の徳川幕府の大政奉還以降に一般庶民へ広がり、現代へ継承されています。
京都出身の山本さんはお母さんの影響で盆石を始め、これまでフィンランド大使へ盆石の披露や、東本願寺岡崎別院で個展の開催、各種展示会への出展など、様々な場で盆石の普及等を行ってきました。昭和40年には総本山醍醐寺の管長から、庵号(幽真庵)、雅号(清含)を授与されました。このことが、盆石を行ってきた中で最も名誉あることだそうです。
作品製作の様子を見せてもらうと、水鳥の羽根を使って盆上に少しずつ白砂を置き、水の流れや山肌を表現する様子はとても繊細で、まさに匠の技を感じられます。「盆石の魅力は、侘(わび)・寂(さび)の世界に浸ることができ、小さい盆の中に心象風景を表現できることです」と山本さん。
かつては約30の流派がありましたが、現在は5流派ほどに減少し、盆石人口も減少しているそうです。「日本が誇る伝統芸術の盆石を1人でも多くの人に知ってもらえるよう活動していきたい」と今後の目標を明るく語ってくれました。

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