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市民病院・ワンポイントクリニック

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埼玉県東松山市

■足水虫の攻略法
皮膚科医師 菅原成美(すがはらなるみ)

夏のジメジメした季節になり、足の皮がむけムズがゆくなってきた、そんな方は足水虫の可能性があります。水虫とは白癬菌(はくせんきん)が足や爪、体などに生着し、かゆみや皮むけ、発疹(ほっしん)などを呈(てい)する疾患です。
皮膚科疾患の中でも頻度の高い病気であり、正しい薬を正しい用法容量で外用していれば治る病気ですが「水虫で病院にかかるのは気恥ずかしい」といった声も多く、病院にかかる前に市販の塗り薬を始めてしまう方も多いです。しかし、水虫かと思っていたら実際には湿疹(しっしん)であり真逆の治療を行ってしまっているケースや、市販薬にかぶれてしまうケースも多いため、受診前に市販薬を外用することはお勧めしません。また、我々皮膚科医も見た目だけで確定診断はせず、必ず顕微鏡で白癬菌がいるかどうか検査をしてから診断します。その際に、市販薬を数日塗っていると、菌量が減ってしまい検査が正確にできなくなる場合があります。その点からも市販薬は塗らずに来院することをお勧めします。
塗り方ですが、皮がむけている部分のみに塗るのは間違った方法です。白癬菌が1箇所にいる人の多くは両側の足部全体に菌がいると言われているので、足裏全体・全ての趾間(しかん)・全ての足趾(そくし)の背中側・足の縁・アキレス腱と、全体に塗るのが正しい塗り方です。また、塗り薬をやめるタイミングは、完全に症状が消退してから更に1〜2か月塗り薬を継続してようやく終了になるため、自己判断でやめずに医師の指示に従ってください。
同居しているご家族への感染を心配される方も多くいらっしゃいますが、白癬菌は皮膚に付着してから生着するまでおよそ1日かかると言われています。よって、ご家族も1日1回足裏と指の間を泡の石けんでよく洗うだけで感染リスクを大幅に下げることができます。それ以外にも家の中でもスリッパや靴下などを履く、バスマットをこまめに洗濯する、床の掃除機をこまめにかけるなど簡単にできる対策はいくつかあるので、ぜひ行ってみてください。

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