日照時間が短くなる冬の季節は、夕暮れ時や夜間に歩行者や自転車などが認識しづらくなり、交通事故の危険性が高くなります。
大切な命を守るために、私たちが日ごろからできる取り組みと、4月から努力義務化された自転車のヘルメット着用について特集します。
◆『夕暮れ時』と『夜間』は要注意! 10月には市内でも死亡事故が連続して発生しています
冬は、日の出が遅く日没が早いという、一年の中でも日照時間が短くなる季節です。
日没時間が早まり、辺りが暗い時間が長くなるため、交通事故が発生する危険性が高くなります。
市内の人身事故件数は、年々増加傾向(下記グラフ参照)にあり、今年の10月には、交通死亡事故が連続して2件発生しています。いずれも、日没後から日の出前の暗い時間帯での事故です。
新型コロナウイルス感染症が5類に引き下げ後、初の年末年始となる今年は、外出する人が多くなることが予想され、今まで以上に一人ひとりが交通安全を意識して行動することが重要です。
冬の交通事故を防ぐためには、季節の特徴を考慮して、外出や日常生活で習慣化している散歩などは外が暗い時間を避けて行動したり、事故に遭わないための安全対策をすることがとても重要です。
〈市内の人身事故件数〉
【事故防止のための安全対策】
▽歩行者や自転車乗用者は『明るく目立つ色の服装』で『反射材』を活用
特に夕暮れ時や夜間は、暗い道でも車のドライバーに存在がわかるよう、歩行者や自転車乗用者は明るく目立つ色の服装で反射材などを使用し自分の存在をアピールしましょう。
▽車のドライバーはハイビームを活用
夕暮れや夜間の運転時、車のドライバーはハイビームを使うことで、周囲が見やすくなり、歩行者などに気が付きやすくなります。使用に関するルールを守りハイビームを上手く活用しましょう。
◆自転車は車両です!気軽に乗れるからこそ運転には注意しましょう
自転車は、子どもから大人までの幅広い世代が利用できる乗り物で、車よりもはるかに簡単に運転ができるため、子どもから大人まで誰もが事故の加害者になるうる可能性があります。
深谷市内では、令和5年1月1日〜10月31日の間に、60件の自転車事故が発生しており、負傷者の世代も利用世代と同じく幅広い構成となっています。
自転車は、誰もが気軽に利用できる乗り物ですが、自動車と同じ車両です。事故は、皆さんの意識を変えるだけで防ぐことができます。そのための基本的な5つのルール(自転車安全利用5則)があることを知っていますか?今一度、自転車利用時のルールを確認し、運転時は、自転車も車両であるという意識を持ち、一人ひとりが交通ルールを守りましょう。
◆自転車利用時のヘルメット着用が努力義務化されました
令和5年4月1日より施行された道路交通法により、自転車利用者に対し、ヘルメット着用が努力義務化されました。
自転車事故によって死亡する人のうち、損傷部位別にみると、『頭部』の損傷が原因となる人が多いことから、(下記『自転車事故死者の負傷部位(令和4年中)』参照)、自転車事故から命を守る『ヘルメットの着用』の重要性がわかります。
市では、改正道路交通法を受け、すべての公立小・中学校を対象とした『交通安全教室』や、市役所本庁舎や各道の駅における街頭キャンペーン、高齢者を対象した『交通安全講習』などを通じて、自転車利用時のヘルメット着用の重要性について強く啓発の呼びかけを行っています。
万が一の事故の時に自分自身の命を守るためにも、ヘルメットの着用は大切です。事故が起きてから後悔することなく、もしもの時に大切な命を守るため、普段から万全の装備で事故被害を未然に防ぎましょう。
【守れていますか?自転車安全利用5則】
(1)車道が原則、左側を通行、歩道は例外、歩行者を優先
(2)交差点では信号と一時停止を守って、安全確認
(3)夜間はライトを点灯
(4)飲酒運転は禁止
(5)ヘルメットを着用
【自転車保険に必ず加入しましょう】
県では条例により自転車損害保険などへの加入が義務となっています。
【自転車事故死者の負傷部位(令和4年中)】
頭部…68.8%
顔部…6.3%
胸部…6.3%
腰部…6.3%
その他…12.5%
(埼玉県警察調べ)
【交通事故を防ぐためには? 交通課長に聞きました】
寄居警察署 宮原誠二(みやはらせいじ) 交通課長
※深谷市は、深谷・岡部地区は深谷警察署、川本・花園地区は寄居警察署が管轄となっています。
自転車乗用時は、交通事故に遭わないために、相手に自分を気づかせることが重要です。辺りが暗いと、車側から歩行者や自転車が見えづらく危険です。明るい色の服装や反射材を使うなどして、『ここにいる』ということをアピールしましょう。
また、自転車は気軽に乗れる便利さもあって、ルールを守る意識が緩みがちです。自転車も車の仲間なので、必ずルールを守ってください。自転車事故では、頭部の負傷により命を落とすケースが非常に多く、ヘルメットの着用が命を守るためにとても重要です。シートベルトのように、ヘルメットを着用することが『当たり前』になるよう、着用を心掛けましょう。
<この記事についてアンケートにご協力ください。>