私たちが暮らす熊谷のまちは、「さくらのまち熊谷」と呼ばれ、市内には多くの桜の名所があります。特に荒川の河川敷にある「熊谷桜堤」は、熊谷の春を象徴するシンボルであり、その美しさを一目見ようと多くの観光客が訪れる場所です。
この熊谷堤の桜には、古くからの歴史があることをご存じですか?桜と共に紡がれてきた物語を感じながら、現代に生きる私たちもまた、新しい物語を紡いでいきましょう。
■熊谷を代表する桜の名所「熊谷桜堤」
熊谷を流れる関東二大河川の一つ、荒川。この荒川の洪水から熊谷のまちを守るために築かれた堤防を、人々は親しみを込めて「熊谷堤」と呼びます。
春には熊谷堤に植えられたソメイヨシノの花が満開となり、堤に上がると上流から下流まで約2キロメートルに渡る、見事な桜並木を見渡すことができます。この桜並木は「熊谷桜堤」と呼ばれ、平成2年(1990)に日本さくらの会から「日本さくら名所100選」の一つとしても選ばれています。
■受け継がれてきた「桜の名所」の歴史
現在の「熊谷桜堤」につながる桜の歴史は江戸時代までさかのぼり、宝暦2年(1752)の町絵図には、石上寺付近に「熊谷桜」の文字が書かれています。
この時代の熊谷堤(旧堤)は、現在よりも熊谷駅に近い位置にありました。当時の歴史をたどると、桜の歌が刻まれた歌碑や俳句などが残っており、この時代の旧堤の桜が人々に愛されていたことがうかがえます。
旧堤の桜は、荒川の氾濫や時代の変化によって衰退を余儀なくされましたが、明治時代に入ると熊谷町(後の熊谷市)の有力者らが、熊谷駅付近や旧堤に桜を植えたことから「桜の名所」としての復活を果たします。そして大正時代に全盛期を迎えた旧堤の桜は、その美しさを一目見ようと、東京から臨時列車が運行されるほどだったと言います。
その後、昭和29年(1954)に現在の位置に新たな熊谷堤(新堤)が完成しました。この場所には旧堤を凌ぐほどの桜の木が植えられ、「桜の名所」は人々の思いと共に「熊谷桜堤」へと引き継がれていったのです。
■今年の桜を記録して熊谷の魅力として発信しよう
市内では「さくらのまち熊谷」の名のとおり、熊谷桜堤以外にも様々な場所で桜を楽しむことができます。桜と青い空が織りなす美しい風景や、卒業・入学の記念写真を撮影したり、風に揺れる花々、桜にはしゃぐ我が子を動画に残したりと、普段写真や動画を撮らない方も、思わずカメラを手にしてしまう時期ではないでしょうか。そんな写真はぜひ「#kumacitygram」をつけて、熊谷の魅力としてInstagramに投稿を。
市では、「#kumacitygram」や「#kumagayareel」が付けられた素敵な投稿を市公式アカウントでご紹介しています。皆さんの、思わず撮ったお気に入りの瞬間を、記念に残る思い出を、ぜひ、ハッシュタグをつけて教えてください。
■次の時代へと桜をつなぐ さくらのまち熊谷での市民活動
◇熊谷の新たな名所 小江川1000本桜
熊谷市の江南地域にある小江川地区では、市民活動団体にる里山再生事業の一環として、15年前から「小江川1000本桜事業」が行われています。
この活動の始まりは、里山の荒廃が放置され、かつての風景が失われたことから、住民総意の活動として始まりました。活動は荒廃地を切りひらきながら、毎年100本の桜の苗木を植栽し、10年かけて1000本の桜を植えるというものです。15年目の現在は、熊谷で春の里山を楽しむハイキングコースとして生まれ変わっています。
◇「熊谷桜」を通じたまちの活性化と交流
平成2年に熊谷桜堤が「日本さくら名所100選」に選ばれたことを機に発足した「桜ファンクラブ」は、当時幻の桜となっていた、熊谷の名を持つ「熊谷桜」を探し出して市内に植樹し、接ぎ木講習会や植樹活動を行いながら歴史ある「熊谷桜」を殖やす活動を続けています。
また、平成26年からは東日本大震災復興支援として直実公の子孫が多く住む宮城県気仙沼市に「熊谷桜」を届ける活動を行い、これまで379名の参加者で924本もの熊谷桜を嫁入りさせ、桜を通した支援と交流を続けています。
◇今年の桜巡りを計画しよう!
今年の桜巡りを計画する際には、市役所本庁舎や、各行政センターで配布している左記のパンフレットをご覧ください。熊谷桜堤の歴史について詳しく書かれているほか、市内の桜スポットも紹介しています。パンフレットの内容は、市ホームページでもご覧いただけます。
※詳しくは、本紙5ページをご覧ください。
《熊谷さくら祭》
「さくらのまち熊谷」では、毎年桜の開花に合わせて「熊谷さくら祭」を開催しています。
とき:3月下旬~4月上旬
ところ:熊谷桜堤
桜並木の下で出店のにぎわいを楽しむだけでなく、熊谷桜堤に咲く約500本の桜は、土手に上がれば目の前で満開の桜を楽しむことができ、遠くを眺めれば、荒川の堤防に沿って奥行のある桜並木を感じることができます。また、夜桜のライトアップもあるため、仕事帰りなどに立ち寄るのもおすすめです。
※開花状況などにより開催期間が変更または中止となる場合があります。
※荒川公園南側の道路は、交通規制があります。
※河川敷内の駐車場は、周辺道路の混雑緩和のため有料となる日があります。(駐車台数に限りがありますので、公共交通機関をご利用ください)
※詳しくは、左記ホームページからご確認ください。
※詳しくは5ページ本紙をご覧ください。
問合せ:(一社)熊谷市観光協会
【電話】048-594-6677
◇熊谷の桜に関連したグッズも盛りだくさん
熊谷市観光協会では、熊谷の桜に関連したグッズを数多く取り扱っています。この春、大切な人への贈り物や、自分へのご褒美に桜グッズはいかがですか?詳しくは左記コードをご覧ください。
・「買えるくまがやONLINE」ホームページ
※詳しくは、本紙5ページをご覧ください。
問合せ:(一社)熊谷市観光協会
【電話】048-594-6677
問合せ:商業観光課
【電話】内線312
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