狭山市には現在、約600戸(※)の空き家があり、これから先、その数はさらに増加することが予想されています。適切に管理されていない空き家は老朽化による家屋倒壊だけでなく、近隣の家や地域にとってさまざまな悪影響を及ぼす可能性があります。これから空き家となる可能性がある住宅や現在空き家を所有している方は、一度しっかりとどうするか考えてみませんか?
(※)令和5年度狭山市空家等実態調査の集計結果による
■空き家が原因で起こりうるトラブル
空き家を放置するとこんなリスクが…
市街地整備課 福原 主事
◇犯罪行為の温床に
不審者の出入りや放火、ごみの不法投棄など犯罪行為の場として悪用され、周辺の治安を悪化させてしまう可能性があります。
◇家屋の老朽化
家屋自体が倒壊するだけでなく、屋根や外壁、ガラスなどの建材が落下する危険性も。また、これらが原因となる事故が発生した場合、損害賠償責任を負う可能性があります。
◇周辺環境への悪影響
ねずみや野良猫、害虫などが繁殖することで悪臭を発生させることがあります。また、敷地内の草木が道路や近隣の家に伸びることで、交通事故や火災を発生させる原因になります。
■持っている空き家を処分することにしました
市内に空き家を所有する久保田直樹さん
◇改築や売却など、さまざまな方向で検討した結果
所有している空き家は、私が生まれてから両親とともに25歳まで暮らしていた実家です。13年前に父が亡くなり、一人で住んでいた母が最近亡くなったことで、相続することになりました。幼い頃からの思い出が多く残っている大切な家です。
誰も住まなくなったその家をどうするか、さまざまな方向から検討してきました。現在の保存状態から見て、改築に多額の費用がかかることや、家と土地を合わせて売却する条件では買い手が付かない可能性が高いことなどを考えた結果、家を処分することにしました。
◇後悔のない選択をするために
処分を決めましたが、両親にとって60年以上住んだ思い入れのある家ですので、相続した身としては大事に扱いたいという思いを非常に強く持っています。私が幸運だったのは、母が亡くなった時に相談した市の「おくやみコーナー」で、「空き家相談のワンストップ窓口」を紹介していただき、その担当の方に親身になって相談に乗っていただいたことです。アドバイスに従って空き家を保有し続けることのリスクや金銭的負担などを把握した上で、処分するという判断を下すことができました。
多くの手間が発生することがある空き家の処分ですが、後悔のない選択をするために周りの親族や友人に相談したり、自分でいろいろと調べたりすることも大切だと実感しました。手続きをスムーズに進めるために、私のように行政サービスを活用することも選択肢の一つだと思います。とにかく、自身の生涯において1回だけの決断を、悔いの残らない結果に着地させることが最後の親孝行だと思っています。
■空き家をお持ちの方が活用できる狭山市の制度
◇狭山市空家等除却補助金交付制度
市内の空き家を解体する方に、解体費の一部を補助します。対象者や対象工事は市公式ホームページをご覧ください。なお、申請する場合、工事着手前に相談が必要です
※予算に達し次第、募集を終了します
◇空き家のワンストップ相談窓口
空き家のワンストップ相談窓口売却、賃貸、相続、管理など空き家に関する困りごとをワンストップで相談できます
問合せ:
(公社)埼玉県宅地建物取引業協会彩西支部【電話】2969-6060
(公社)全日本不動産協会埼玉県本部県西支部【電話】2958-4038
◇おくやみコーナー
大切な方を亡くされたご遺族が、市役所での複数の手続きについて、申請書類の一部を省略することやワンストップで申請を行うことができます
※事前に予約が必要です
問合せ:狭山市おくやみコーナー専用電話へ
【電話】2937-5839
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問合せ:市街地整備課へ
【電話】2941-6839
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