地域の皆さんと話し合い、農業の未来を考える。
近年、農業者の高齢化や後継者不足で耕作放棄地の増加が進み、農業の衰退が懸念されています。
そこで市は、皆さんが守り続けてきた農業を未来に引き継ぐため、「地域計画」を策定します。
■10年後の耕作者は?
市には田んぼと畑を合わせて2483ヘクタールの農地があり、市の面積の45パーセントを占めています。一方、農業者は年々減少し、65歳以上の方が全体の76・5%と、高齢化が進んでいます。このまま農業者が減少すると、10年後や20年後の農地はどうなるでしょうか。
市は現在、農地を次世代に継承し、農業の将来像を描くため、「地域計画」の策定を進めています。市内各農地の「10年後の耕作者」を今のうちに考えておくことで、担い手に農地を引き継ぎ、耕作放棄地の発生や増加を食い止める狙いがあります。
地域計画とは、地域農業の将来を明確にする計画です。耕作者や地権者、行政機関などを交えて、「目指したい農業や農地利用」「10年後の農地の耕作者」「地域で中心となる農業者」「農業を守る取り組み」を話し合い、その結果を基に策定します。
羽生市は利根川の豊かな水と肥沃な大地に恵まれ、古くから農業が盛んです。今後も農業や農村の風景を維持・発展させ、農産物が安定的に供給される、豊かな暮らしを守るためには、皆さんの意見を取り入れながら、計画を策定していくことが重要です。地域農業の未来を、一緒に考えてみませんか。
◇市内農家数の推移(人)
◇策定で生まれる5つのメリット
(1)個々の農地を「10年後、誰が耕作するのか」の見通しが立つ
(2)農地を貸す人と借りる人がマッチング
(3)農業の方向性が見つかる
(4)国や県の支援制度が受けやすくなる
(5)農地の集約で、農作業が効率化され、農地の魅力が上がる
■策定の流れ
※地区ごとにスケジュールが異なります。
(1)農業者・農地所有者へ調査
将来の土地利用に関する意向調査を必要に応じて実施します。今後の地区の話し合いに必要な調査ですので、回答にご協力ください。
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(2)地区ごとの話し合い
農地の耕作者、管理者、所有者など、関係者同士の話し合いを行います。農地は現状「誰が耕作しているのか」「誰が管理しているのか」を整理し、10年後の農地利用や目指す農業の在り方を皆さんと考えます。話し合いの日程は市ホームページや広報誌、通知文書でお知らせします。
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(3)「目標地図」作成
「10年後に誰がどの農地を耕作するのか」を皆さんで書き込んで色分けした、「目標地図」を作成します。点在する農地を、農業者の意向を踏まえて集約していきます。
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(4)公表
話し合いの結果を反映させて、地域計画を策定し、公表します。区域分けした農地の担い手の皆さんを、農地の貸し付けや補助事業でしっかりと支援します。計画内容は必要に応じて更新していきます。
◇農地を所有している方へ
農地の権利関係や耕作状況の確認をお願いします。
・現在、誰に貸して、誰が耕作管理しているのか
・雑草が繁茂し、耕作が放棄されていないか
・この先、農地を引き継ぐ人は決まっているのか
※農地賃借は口約束ではなく、公的機関の仲介を推奨します。
◇こんな悩みはありませんか
今の農業を10年後も続けられるか不安。
父から農地を相続したが、会社員で管理が難しい。
家族や知人に後継者がいない。
地域農業を残すために何が必要か考えたい。
◇POINT!!
地域計画の策定には、農地の耕作者、管理者、所有者だけでなく、地域の皆さんの協力が不可欠です。市からの調査への回答、説明会等への出席など、ご協力をお願いします。
◇農地の賃借制度が変わります!
地域計画を策定した地域では、一般的な農地の賃借方法である「利用権設定等促進事業」が利用できなくなり、農地中間管理事業を活用した賃借に限定されます。令和7(2025)年4月以降は、全地域で利用権設定等促進事業が利用できなくなります。
問合せ:農政課
【電話】内線281
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