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【特集】外来カミキリから桜の名所を守る。

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埼玉県羽生市

毎年3月下旬から4月上旬に開催していた羽生のさくらまつり。会場となる東橋から宮田橋までの葛西用水路沿いには、約500mにわたり桜並木が続き、週末は、飲食の出店やおはやしの演奏などが催され、多くの人でにぎわいました。古くから地元住民に親しまれてきたさくらまつりですが、今年、ある虫の被害で中止となりました。

■外来種の侵食
原因は外来生物の「クビアカツヤカミキリ」。元々は中国や朝鮮半島などに生息していて、幼虫の時期にサクラやウメ、モモなどの樹木に入り、2~3年かけて木の内部を食い荒らします。この虫の被害で、以前は50本程あった葛西堤の桜の木の半数が枯れ、伐採されました。葛西堤の桜の木に限らず、各公園や路地など至る所で被害が出ていて、市内から桜の木が消えつつあります。また、昨年「ツヤハダゴマダラカミキリ」という、アキニレやカツラなどの樹木に寄生する新種も発見されした。新たな被害が拡散する前に、早急な対策が必要です。
市では公共施設の被害状況を定期的に確認し、薬剤による防除や伐採作業を行っています。岩瀬公民館では、昨年3月に、地域の方々が、地元の桜の景勝地を残すため、敷地内に、病気や害虫に強い神代桜の苗木を23本植樹しました。また、さくらまつりを主催している旭町自治会でも、葛西堤に毎年、桜の苗木を植樹しています。

■樹木を守るために
クビアカツヤカミキリは6月~8月、ツヤハダゴマダラカミキリは5月下旬~10月にかけて成虫が発生します。見つけたら拡散を防ぐため、踏むなどして駆除をお願いします。幼虫が寄生している樹木には、根元に「フラス」と呼ばれる木くずと糞の混合物が排出されます。ご自宅の庭で、フラスが排出されている樹木を見つけたら、環境課までご連絡ください。初回のみ職員が訪問し、消毒の指導を行います。外来カミキリから市内の樹木を守るため、駆除のご協力をお願いします。

◇クビアカの県内の被害状況
平成29年に羽生・行田・熊谷・深谷・加須市・越谷市で被害が確認され、年々被害地域が拡大しています。
※詳細は本紙またはPDF版をご覧ください。

■新たな桜の木の成長を見守る
毎年7月に、旭町自治会で桜の木を巡回していますが、成虫は動きが素早く補殺が容易ではありません。5月と8月には消毒作業をするも、効果が現れず厳しい状況です。被害を受けている木を見ると、50年以上経った古い木が多いと思われます。旭町では、5年程前から、年間約10本、葛西堤や旭町公園に桜の苗木を植樹しています。現在、葛西堤の北側にある若木が順調に育っています。さくらまつりが中止となり、町内一同、非常に残念でなりませんが、再びまつりが開催できるよう、新しく植えた桜の木の成長を見守っていきます。
旭町自治会長 髙橋利彰さん

■国の特定外来生物に指定
◇クビアカツヤカミキリ
成虫の体長は2.5~4cm。樹皮の割れ目に卵を産み付けます。動きが素早く、一度逃げてもすぐ元いた木に戻ってきます。
・首(胸部)が赤い
・体は黒色で光沢がある
※詳細は本紙またはPDF版をご覧ください。

■国際保護連合(IUCN)が世界の侵略的外来種ワースト100に選定
◇ツヤハダゴマダラカミキリ
・触角に明瞭な白色の帯がある
・在来種と違い胸部に白紋がない
・光沢のある黒色で背中に白色~黄斑がある
※詳細は本紙またはPDF版をご覧ください。

問合せ:環境課
【電話】内線294

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