紙芝居の会ケセランパサラン代表 白石 春枝(しらいし はるえ)さん
■紙芝居で心通わす喜びを
「紙芝居の会ケセランパサラン」の紙芝居を楽しみに、毎月第2・4土曜日、図書館にはたくさんの子どもたちが訪れます。会の代表を務める白石春枝さん(84歳・中央2丁目)が演じる紙芝居は、優しい語り口で子どもたちから大人気。入会以来12年、その魅力を伝え続けています。
入会のきっかけは、会で紙芝居の先生だった田中和子(たなかかずこ)さんの講演会でした。そこで、戦時中に紙芝居が戦意高揚のために用いられ、そのことが戦後の裁判で問題視されたという事実を知り、ショックを受けた白石さん。その一方で、紙芝居の実演を見て、子どもの頃の記憶がよみがえり、みんなが一体となってお話を楽しむ雰囲気に魅了され、入会を決意しました。
初めは上手に読むことばかり気にしていましたが、勉強会で先生から「派手な演技より、良い作品を選び、作者の真意が伝わるように演じること」と助言を受け、作品を丁寧に読み込み心を込めて演じるように。すると、自然とみんなで作品を共有する心地よさを実感できました。入会以来図書館などでの定期公演を続け、最近では小学校の読み聞かせボランティアを行うなど活動を広げてきました。白石さんがよく演じるのは、「みんなでぽん!」(まついのりこ作・絵童心社)。演じ手も観客も「ぽん!」と声を出し、手をたたいて参加します。最初は不安げだった子が、最後には目を輝かせて手をたたくようになるお気に入りの作品です。
「紙芝居で周りの人と心を通わす体験を通じて、子どもたちの他人を思いやる心を育てたい。そして、紙芝居が戦争ではなく平和のために広がっていったらうれしい」と目標を語る白石さん。これからも子どもたちのために、すてきな紙芝居を届けていきます。
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