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[特集]「願い」を込めた田んぼアート(1)

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埼玉県行田市

■田んぼアートを通じて復興支援を。
「世界最大の田んぼアート」として平成27年にギネス世界記録(R)に認定された行田市の田んぼアート。今年のデザインは、能登の伝統的な祭礼である「キリコ祭り」です。
本年1月1日に発生した能登半島地震では、多くの方が甚大な被害に遭われました。被害の大きかった能登地域では、地震から半年以上経った今も生活再建や復興に向け、さまざまな取り組みが行われています。そんな能登地域で人々の生活に溶け込み、盛んに行われている「キリコ祭り」は、平成27年に「灯り舞う半島 能登〜熱狂のキリコ祭り〜」として日本遺産に登録されました。本市も「和装文化の足元を支え続ける足袋蔵のまち行田」として日本遺産に登録されており、伝統や文化を大切にしている地域として行田と能登の間には共通する部分があります。
こうしたつながりもあったことから、知名度のある田んぼアートに「キリコ祭り」を描くことで、より多くの人にこの祭りを知ってもらい、能登復興の後押し、支援につながることを心から願っています。

■デザインに込めた思い
「キリコ祭り」は、巨大な灯籠(とうろう)「キリコ」を担ぎ、楽器の音や威勢の良い掛け声とともにまちを練り歩くもの。図柄にはキリコの他に、祭りを盛り上げる男女の姿や祭りの際に打ち上げる花火が描かれており、能登の人々が再び伝統行事を楽しむことができるよう、そして一日も早く日常の生活を取り戻すことができるよう願いを込めています。
また、キリコや提灯(ちょうちん)の中に描かれる「がんばろう!」や「能登」、「復興祈願」の文字は、石川県立能登高等学校書道部員が書いた作品を使用。能登に住む生徒たちの復興への強い思いもこれらの文字に込められています。

■みんなでつくる田んぼアート。
6月8日と9日に田植えイベントが行われ、8日は574人、9日は246人の参加者が心を込めて丁寧に苗を植えました。
田んぼアートは、その準備からお米の収穫まで、市内外から参加するボランティアの皆さんや地元農家の皆さんなど多くの方の協力によって作られています。そこには、携わってくれた方たち一人一人の思いが詰まっています。

◇「たのしかったー!」(みちかちゃん・4歳・市内在住)
初めは汚れるのが嫌で足を入れることもできませんでしたが、一度足を踏み入れたら顔が泥んこになるまで夢中で頑張りました!
(みちかちゃんのお母さんより)

◇市外からも多くの方が参加
(高森正和さん家族・さいたま市在住)
今回のテーマを見て、石川県出身の私も力になれればと、初めて参加させていただきました。田んぼの中は気持ちよく、なかなか経験できないことで子どもも大満足の様子でした。また田植えの難しさを知り、農家の方々の大変さを肌で感じることができました。
見頃を迎える時期に家族で見に行きます。

◆田植えイベントの裏側で
◇杭(くい)打ち
皆さんがスムーズに田植えができるよう、代掻(しろか)き(田に水を入れて土を砕いてかきならす)をした後、測量機器を使って図形を形成するための杭を打っています。その後、杭と杭をひもで結び、絵の輪郭を縁取ります。

◇苗運び
県の種苗センターで種をまき、育てた苗を会場へ運んでいます。
今年の田んぼアートは4品種の稲で描かれています。緑色の「彩のかがやき」、黒色の「ムラサキ905」、赤色の「べにあそび」、白色の「ゆきあそび」は7月中旬ごろから鮮やかに色づき、秋にかけて表情を変えていきます。

◇補植
田植えイベントから7月の見頃を迎える前まで、ドローンなどを活用しながら苗の足りていない箇所を把握し、補植作業を行っています。

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