■歯の健康
越谷市歯科医師会 歯医者の杜 森俊道(もりとしみち)
寒くなってくるとウイルスが活発に活動します。
そして、マスクがまた必要な時期になりました。マスクをすると口呼吸が増えるとの報告があります。口呼吸と唾液の質と量には、密接な関連が存在します。
また、睡眠時間と唾液分泌が口腔(こうくう)内健康に大きく関わりあることが分かってきました。まず、睡眠時間と歯の健康について考えましょう。年齢による違いがありますが、適切な睡眠時間を確保することは、免疫機能の向上に寄与し、口腔内の健康を維持する要素として重要です。
一般的なガイドラインによれば、大人は毎晩7~9時間の睡眠を目指すべきであり、これは免疫機能をサポートするために必要な時間帯とされています。老年者においても、7~8時間の睡眠が免疫機能の維持に有益です。唾液は歯の健康に欠かせない要素であり、質と量が肝要です。睡眠中、唾液の分泌量は通常減少しますが、適切な睡眠時間を確保することで正常な唾液分泌が促進されます。また、質の高い睡眠はストレスホルモンの正常なバランスを維持し、唾液の質を向上させます。したがって、充実した睡眠習慣は、適切な唾液の分泌をサポートし、口腔内の酸性環境から歯を保護します。
まとめると、睡眠時間、歯の健康、歯ぎしり、そして唾液の質と量は相互に結びついています。適切な睡眠時間を確保することは、免疫機能の向上に寄与し、歯ぎしりを軽減し、適切な唾液分泌を促進します。これらの要素は口腔健康を維持し、皆さんの健康維持や生活の質の向上にお役に立つと思います。全身的な健康と口腔環境の維持に、年齢に合わせた質の高い睡眠習慣を取り入れてはいかがでしょうか。
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