■「こころの健康は運動と睡眠から」
埼玉県立大学 保健医療福祉学部 作業療法学科 助教 滝澤宏和(たきざわひろかず)
こころの健康(メンタルヘルス)について皆様はどれくらい気を付けておられますか?メンタルヘルスと聞くとカウンセリングや抗うつ薬など気軽ではない印象をお持ちになるのではないでしょうか?今回は日々のちょっとした工夫でできるメンタルヘルスケアをご紹介したいと思います。
まず一つ目は運動です。身体を動かすことは身体の老化防止だけでなく、脳やこころにもよい影響を与えます。特におすすめは朝の散歩です。朝起きて15~30分程度散歩をすると、「日光を浴びる」、「リズム運動」の2つの効果によりセロトニンの分泌が活発になります。朝散歩は体内時計のリセットにも効果があり、朝散歩後15時間程度で睡眠を誘発するメラトニンの分泌にもつながり、起床・就寝のリズムも整えてくれます。
二つ目は睡眠の取り方です。4時間半ほどしか眠らない状態が5日間続くと、不安や抑うつなどメンタルヘルスに悪影響が生じると報告されています。年齢にもよりますが、一般的に睡眠時間は7時間程度が推奨されており、長すぎ(8時間以上)ても、短すぎ(6時間未満)ても、健康に悪影響を及ぼすとされています。また、良質な睡眠を確保するためには、睡眠90分前の入浴や睡眠前は部屋を暗くするなどの工夫も有効とされています。特に十分な睡眠時間が確保できない方は30分未満の昼寝も有効です。
こころの健康のための2つの方策(運動・睡眠)について、今回は取り組みやすいものをご紹介しました。まとめますと、「朝起きたら30分の散歩、眠いときは30分程度の昼寝も挟みつつ、夜は7時間の睡眠時間を確保する」です。
今回のコラムを読んで、もしご興味を持った内容があれば、書籍などで調べてみてはいかがでしょうか。
<この記事についてアンケートにご協力ください。>