NPO法人 里山環境プロジェクト・はとやま
平成17年12月に設立。
町から「保全業務委託」を受け、石坂の森の保全・管理活動を実施している。
◆里山を知ること
▽公園化しすぎていない森
鈴木(司会):石坂の森の伝えたい魅力を教えてください。
富田:私は東北出身なので育った環境が落葉樹林でした。初めて石坂の森に来た時、コナラやクヌギがあって、その下にスミレが咲き、間にヤマザクラが咲くのがとても魅力的だと感じました。カエルの声が聞こえてきたり、さまざまな種類の蝶々や蛍が飛んでいました。生き物の世界がある魅力的な森だなと思いました。
山谷:一言でいうと公園化しすぎていない森。石坂の森は一般的な公園とは違い、人工的なものは歩道やベンチテーブルしかありませんが、親子で来た時に、きちんと歩ける道があり、野鳥や動植物がいます。公園化しすぎていない森だなと思いました。
小峰:私はコロナをきっかけに地元にUターンしたんですが、人ごみから離れたい、自然の中で散歩してリフレッシュしたいなと思ったときに、身近にあったのが、石坂の森でした。
森林公園のように広大な自然公園でもなくて、低山登山のように力を込める場所でもなく、気軽に行けてリフレッシュできる場所であることが魅力だと思います。
見山:石坂の森に限らず、ただ森や里山というとほかにもあります。では何が魅力かと考えた時に、鳩山ニュータウンを取り囲むように石坂の森があることに可能性を感じています。
数年前に大学院に通い、鳩山ニュータウンの活性化をテーマに研究しました。その時から思い描いていたのは、ニュータウンという整って暮らしやすいという街並みがありながら、森と一体となった生活です。アメリカに都市と農村を融合させたサステナブルコミュニティとして世界的に注目されている町があります。鳩山町も、すぐそこにある森とのつながり、森の恵み、みんなが森に少しずつ関わりをもって、森をみんなで育んでいくという形ができたらと思います。
石坂の森の良いところとして、自然を楽しむ、親しむ、やすらぐ場所という点はもちろんあるし、活かしていくべきところですが、生活にとって必要な場所という認識を強化していければいいなと思っています。
◆里山を楽しむこと
▽里山文化を次世代へ
鈴木(司会):「遊びの場・学びの場」としては、何が考えられるでしょうか。
山谷:私は、爬虫類が大好きなんですが、NPOの調査でサンショウウオの卵を人生で初めて見て、こんな身近にあるんだとすごく感動しました。
ペットショップ店員として働いていた時、お客さんにこどもが捕まえてきたアマガエルの飼育方法を聞かれたことがあります。こどもの遊びや学びも大切ですが、まずは大人に自然を楽しんでもらうことが必要だと思いました。そのためのイベントをNPOや町で今以上に実施していきたいです。
見山:私は大人のレジャーみたいな場所として、草刈りやチェーンソーを体験し、メカの楽しさから自然を楽しんでもらいたいです。
小峰:遊び・学びを通して里山文化を次世代に伝えていかなければいけないと思います。
生活の中での里山を活用してきた人と直接話ができる世代は、我々が最後の世代ではないかと思います。NPOに入ったということを父や祖父に話したときに「ああ石坂の森ね、こどもの時、薪を拾いに行ったよ」と言われ、直接里山文化を聞くことができました。
暮らしに里山が組み込まれていた人から里山文化を実際に聞いて、次世代に繋いでいく、そんな遊びの場・学びの場に今後なっていけたらと思いました。
山谷:私は、NPOに入ったことがきっかけで聞くことができましたが、実際に経験をしている人の話を残していくこと、話してもらう場所が必要だと思います。
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