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特集 認知症と向き合う(2)

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埼玉県鳩山町

■[専門医にきく]認知症は早期発見 早期治療を
高齢者の5人に1人が認知症になると言われています。しかし、なかなか早期の診につながらず、重症化する場合も多い病気です。早期発見のポイントについて、埼玉森林病院の小松先生にお話を伺いました。


認知症を専門とする精神科医。平成29年4月から埼玉森林病院に勤務。鳩山町認知症初期集中事業に参加し、鳩山町認知症サポート医として活躍している。
趣味は、エレキギターやドラムを演奏すること。

◆高齢者の5人に1人が認知症になる時代へ
高齢化が進む日本において、認知症になる人も年々増えています。2012年では65歳以上の高齢者のうち7人に1人が認知症でしたが、2025年には5人に1人が認知症になると推測されています。このように、認知症患者の増加が社会問題として重要視されている一方で、認知症の早期発見や早期治療についての取り組みは十分とはいえない状況です。
2022年度の鳩山町における特定健診の受診率は48・1%であり、埼玉県全体の受診率である39・4%を上回る結果でした。
一方で、2022年度の鳩山町における認知症検診の受診率は14・5%と、特定健診の受診率よりもかなり低い結果でした。
また2023年度の受診率は12・7%とさらに低下しており、今後は認知症検診の受診率を高めていくことが課題となります。

◆早期発見・早期治療を
認知症も他の病気と同じく診断と治療が遅れるほど症状は進行し重症化します。そのため、早期発見・早期治療が重要となります。
しかし、認知症は本人の自覚が乏しいうえに「指摘されたくない」「認めたくない」という思いから、なかなか早期の受診につながりません。認知症は本人の健康問題だけでなく、介護の問題や今後の住まいの問題・財産の問題など、次々と問題が押し寄せてきます。このような問題に余裕をもって対処するためにも早期発見が重要となっています。

◆認知症の初期症状
誰しも年齢を重ねれば物忘れが始まります。しかし、それが「正常な物忘れ」なのか「認知症の物忘れ」なのかが重要となります。
「物の置き忘れ」「すぐに人や物の名前が出てこない」などは年齢相応の物忘れに分類される一方で、「買い物で同じ物ばかり買う」「勘定が正しくできない」などは認知症の物忘れに分類されます。物忘れの種類や程度によって変わるため、専門医による判断が必要となります。
また、「入浴を嫌がる」「寝言が多い」「強いこだわりやパターン化された生活を好む」など認知症とは無関係に思えることも、実は認知症による症状の場合があります。
早期発見には本人だけでなく、周囲の人も認知症に対する理解を深め、「早期に気づいてあげられる」ことが一番のポイントになります。そのため、家族や親しい人が何かしらの違和感や変化を感じた時は専門機関へ相談するタイミングです。

◆認知症を理解すること
まだまだ認知症は「未知の病」「怖い病」というイメージが強いことで、「認知症かもしれないが、はっきり診断はされたくない」という思いの方が多くいます。
ただ、早期発見・早期治療を行うことで、今の状態をより長く維持することができます。すぐに専門病院を受診しなくても、認知症検診を受けてみることや地域のサロン等への参加、地域の相談事業での相談などを通じて、個々で認知症に対する理解を深めていくことから始めてみましょう。


次の10項目について、当てはまるものにチェックをしてみましょう。
□電話で受けた⾔づてを伝え忘れることが増えた。
□何を取りに来たのか忘れることが増えた(後で思いだす)
□⽣ごみや腐った⾷品のにおいに気づかなくなった。
□物を⽚付けた場所を忘れて探し回ることが増えた。
□部屋が散らかっていても気にならなくなった。
□洗濯物をうまくたためなくなった。
□新しい電化製品等の使い⽅をなかなか覚えられなくなった。
□⻑く続けてきた趣味への関⼼が薄れてきた。
□いつも⾒ていたドラマを⾒る気がしなくなった。
□家族の記念⽇を忘れることが増えた。

出典:埼玉県「日常生活で分かる?!MCI(軽度認知障害)チェックシート」


▽認知症検診
町では、認知症の早期発見・早期治療のために、満70歳と75歳の方を対象に認知症検診の受診票を令和6年5月に郵送でお届けしています。検診は無料ですので、対象となる方は、ぜひこの機会にご自身の状態をチェックしてみてください。
令和6年度実施期間:令和6年6月1日(土)〜12月25日(水)
(1)医療機関を予約・受診
(2)認知症検診チェック票によるスクリーニング検査
(3)検診受診後
検診のお知らせと共に送付している「認知症検診受診者の方へ」を記入の上、令和7年1月8日までに、町地域包括支援センターまで返送してください。

▽認知症初期集中支援チーム
認知症になっても、住み慣れた地域で安心して暮らせるよう、初期段階での早期発見・早期治療を行えるように支援する専門職チームです。チーム員は、医療・福祉・介護の専門職と認知症専門医で構成され、おおむね6か月間の集中的支援を行い、適切な医療・介護・福祉サービス等へつなぎます。
毎月1回(水曜日)、認知症専門医による訪問、来所相談の予約を受け付けています。日程等については、町ホームページをご覧いただくか、町地域包括支援センターに直接お問い合わせください。

問合せ:町地域包括支援センター
【電話】296-7700

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