3月は自殺対策強化月間です。自殺者数は一時期より減少傾向であるものの、いまだに多くの方が追い込まれ、悩んだ末、自ら命を断っています。
かけがえのない命をみんなで守るために、自殺について考えてみましょう。
■自殺の現状
「2万人を超える人が自ら命を絶っている」
▽全国の状況
21,881人―令和4年に全国で自殺した人の数です。この数は同年の交通事故死者数2,610人の約8倍にあたります。1日あたりに換算すると、毎日60人もの人が自ら命を絶っていることになります。
警察統計によると、令和4年の全国の自殺者数は前年に比べて874人増加となりました。性別でみると、男性の自殺者数は14,746人で、女性の約2倍にあたります。年齢別では、「50歳代」が4,093人で全体の18.7%と最も多く、次いで「40歳代」「70歳代」「60歳代」の順となっており、中高年の割合が高くなっています。職業別では「無職者」が11,775人で全体の53.8%を占め、次いで「有職者」「学生・生徒等」の順となっています。
▽鴻巣市の状況
では、私たちの住む地域の状況はどうでしょうか。
埼玉県の令和4年の自殺者数は全国で4番目の1,247人で、前年からの増加数143人は、全国1位の数です。
一方、本市の令和4年の自殺者数は、令和2年の最も多かった30人から11人に減り、人口10万人あたりの自殺者数を示す自殺死亡率も、全国16.44を大きく上回る25.34から全国17.25を下回る9.35になりました。しかし、令和5年の自殺者数が暫定値ながら19人と再び増加に転じています。
また、本市の平成29年から令和3年までの5年間における自殺者111人の傾向を見ると、「20歳未満」「50歳代」「70歳代」「80歳代」の割合がやや高く、青年期(15歳~24歳)と壮年期(25歳~44歳)における死因で自殺が1位、少年期(5歳~14歳)と中年期(45歳~64歳)においても自殺が3位となっています。
このように「自殺」は決して他人事ではなく、本市においても大きな社会問題となっています。
▽自殺に至るまでの背景
自殺には健康や経済問題などさまざまな背景があり、心理的に追い詰められ、生きていても役に立たないと思い込んだり、自殺以外に解決策が考えられなくなってしまった末の行動といわれています。
本市の自殺者の原因・動機(重複該当あり)は「健康問題」が最も多く、次いで「経済・生活問題」「家庭問題」の順となっています。
大切な命を自殺から救うためには、さまざまな悩みをひとりで抱え込まないこと、周りの人が自殺の危険を示すサインに早めに気づくことが大切です。
■自殺のサイン(自殺予防の10か条)
次のサインが多く出ていたら、早めに医療機関等に相談しましょう。
(1)うつ病の症状に気をつける
(2)原因不明の身体の不調が長引く
(3)酒量が増す
(4)安全や健康が保てない
(5)仕事の負担が急に増える、大きな失敗をする、職を失う
(6)職場や家庭でサポートが得られない
(7)本人にとって価値あるものを失う
(8)重症の身体の病気にかかる
(9)自殺を口にする
(10)自殺未遂に及ぶ
※厚生労働省『職場における自殺の予防と対応』より
問合せ:鴻巣保健センター
(【電話】543-1561)
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