■「端午の節句」の食ベ物[健康応援団No.230]
5月5日のこどもの日は、古くは五節句の一つ「端午の節句」でした。由来は中国で「菖蒲の節句」とも言われ、古代中国では悪い月とされていた5月に厄除けの力があると信じられていた菖蒲やアヤメを入れたお酒や、煎じたものを飲んだ風習から来たものです。日本では室町時代から、菖蒲が「勝負」「尚武」と通じるとして男子中心の行事になり、江戸時代にはこいのぼりを立て、甲冑や兜などを飾り、祝菓子を食べて男の子の出世と健康を祈るという行事となったようです。
「端午の節句」の祝菓子として、関東は柏餅、関西はちまきを食べることが多いようです。柏餅の柏の葉は、「譲り葉」と呼ばれ新芽が出るまで落葉しないことから「子孫が絶えない」子孫繁栄の象徴とされ縁起物として、ちまきは中国の風習で邪気払いとして食べられていたことから、日本でも食べられるようになりました。
そのほか、子どもの成長や出世を願って上にすくすく育つタケノコや出世魚のぶりなどもお祝いの食事として食べられています。タケノコの水煮を薄味で煮たものを酢飯に混ぜて簡単にお寿司にするのはいかがでしょう。すし酢にレモンやすだちなどの柑橘類、薬味には木の芽を使うと香りの良い1品になります。
参考文献:「子どもに伝えたい食育歳時記」新藤由紀子(しんどうゆきこ)著 (株)ぎょうせい
女子栄養大学栄養クリニック 管理栄養士 由井美和(ゆいみわ)
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