■熱中症、夏バテ予防の食事[健康応援団No232]
人の体は、環境の変化に適応して一定の状態を保つしくみがあります。
汗をかくことは体温を下げるための大切な役割のひとつですが、湿度が高いと汗の蒸発が妨げられ、体温調節などがうまく働かなくなり、体の中に熱がたまることで「熱中症」が起こります。
一方「夏バテ」とは、暑さで体力が消耗し、その結果、体のあちこちに感じる不調のこと。食欲不振や消化機能の低下、睡眠不足などで様々な症状が重なり、慢性的に疲労がたまってしまうことで起こります。
夏バテにならないためには、日々の疲労をため込まないことが大切です。
豚肉・うなぎ・豆類などに多く含まれるビタミンB1は、エネルギーや老廃物の代謝不良をととのえ、疲労回復が期待できます。
ビタミンB1は、にんにくなどに含まれる「アリシン」と組み合わせることで、その吸収が高まります。アリシンは玉ねぎ・にらなどにも多く含まれるので、豚肉と組み合わせて食べることをおすすめします。
夏バテ気味や健康状態が悪いときなどは、いつもより熱中症の危険性が高まります。バランスのよい食事や十分な睡眠をとるなど、暑さに負けない体づくりを心がけて夏を乗り切りましょう。
女子栄養大学栄養クリニック 管理栄養士 羽田綾子(はだあやこ)
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