■子どもたちは、私たち大人の宝
今、私たちが住み・暮らしている地域・まち・社会の今後を担っていくのは、私たちの周りにいる子どもたちです。しかし、その大切な子どもたち一人ひとりが幸せに育ち、育まれているわけではありません。世界を見ても戦争・紛争によって、一瞬にして命を奪われる子ども、家族を失ってしまう子どもがいます。なんと痛ましい出来事でしょうか。子どもたちの人権を私たち大人が守っていくのは大人としての責任です。そのため、1989年、国連で「子どもの権利条約」が成立し「生きる権利・育つ権利・守られる権利・参加する権利」が明記されました。日本でも、2022年「子ども基本法」が成立し、本年度4月「こども家庭庁」が発足しました。理念は、「こどもまんなか社会」。少子化問題や子育て支援の取組みなどを進めようとしていますが、課題はさまざまです。子どもの権利を侵害している要因としては、「虐待・いじめ・体罰・不登校・ネット被害・ゲーム障害・貧困と格差・ヤングケアラーなど」の問題が注視されています。この中で、世代間連鎖が生じるといわれているのが虐待と貧困の問題です。子ども時代、虐待被害にあった人の7割近くが親になり加害者となってしまうケースや虐待の背景には貧困の連鎖が大きく影響しているともいわれています。
また、支援が急がれる「ヤングケアラー」の子どもたちは、家族の介護や家事の責任を任されるために自分の時間がなくなり「勉強する時間がない。睡眠時間が足りない。」などの困り事を抱えながら、一方で介護や家事が日常的にあるため、無自覚のまま毎日を精一杯過ごしているのが現状です。このように、日本でも「子どもの権利条約」が完全に守られているとは言えない状況があります。いつの時代も子どもは次世代を担う人(宝)です。私たち大人はその子どもたちを家庭、地域で育み、守っていく社会を一歩ずつつくりあげていく義務があります。
問合せ:人権・同和対策課
【電話】22-1229
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