■あなたにもできる189(いちはやく)
近隣から聞こえる怒鳴り声と子どもの泣く声。「心配だけど、どうしたら良いのか…。」
社会を取り巻く環境の変化が、「こどもの人権」を脅かしています。周りには見えにくい、いじめや体罰、性被害、また家庭でも起こりうる“児童虐待”は、深刻さを増しています。
大分県の児童相談所に寄せられた虐待に係る相談件数は、2023(令和5)年度には、1,852件となり統計の開始以降、過去最多の件数を記録しました。
言葉による脅しや子どもの面前で家族に暴力を振るうといった「心理的虐待」が半数(958件)以上を占め、次いで、殴る・蹴る・叩くなどの「身体的虐待」もかなりの件数(600件)となっています。過去最多の相談件数となった背景には、各地で児童虐待の事件が相次ぐことを受け、「虐待を早期に発見しよう」という意識の高まりが要因のひとつとなっていることが考えられます。それでも、表面化しづらい家庭内暴力が、依然として多く起きているという実態は変わりません。
「こども家庭庁」は児童虐待の防止対策として様々な取組を進めています。なかでも児童相談所虐待対応ダイヤル「189(いちはやく)」は、虐待と思われる場面に遭遇した人からの、迅速な情報提供や相談によって、「虐待を止める、防ぐ」役割を果たしています。
社会構造の移り変わりは、利便性をもたらした反面、地域のコミュニティ能力を削(そ)いでしまう状況を作り出そうとしています。小さな命のひとつひとつを保護者だけでなく地域全体、社会全体で見守ることが、今の日本社会には求められています。
「虐待かもしれないけど確信が持てない」、「間違いだったらどうしよう」という懸念やためらいを捨てた勇気ある行動で救われる子どもがいます。
一歩踏み出し、行動してみませんか。
問合せ:人権啓発センター
【電話】22-8017(市役所別館1階)
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