■西専寺宝篋印塔(さいせんじ ほうきょういんとう)〔大田地域〕
県指定年月日:1979年5月15日
建造物/県指定有形文化財/永松区下村地区
西専寺の開山については、宝陀寺(ほうだじ)の開山に関わった悟庵禅師(ごあんぜんじ)の高弟・天衣禅師(てんえぜんじ)が創建した寺院と伝えられています。江戸時代には、宝陀寺の末寺の一つでしたが、現在は無住となり、小さな堂宇を残すのみとなっています。この西専寺の境内(けいだい)には、県指定有形文化財の「宝篋印塔(ほうきょういんとう)」と「木造地蔵菩薩坐像(もくぞうじぞうぼさつざぞう)」をはじめ、永松天満宮の秘仏として伝わる五面の懸仏(かけぼとけ)(三面は県指定)も現存し、いずれも鎌倉時代後期から室町時代頃の製作と推定されています。
宝篋印塔は、西専寺東側の一画に位置し、五輪塔群と並んで総高261cmの堂々とした佇(たたず)まいで立地しています。石材は角閃安山岩(かくせんあんざんがん)を利用し、基礎部は三重で、一面を二区に分け、それぞれに格狭間(こうざま)を刻出しています。塔身は無地で、上部段形は二段とし、笠部の段形は下端に三段、上段を四段で整形しています。また、隅飾突起(すみかざりとっき)は、一石造り出しで二弧で渦紋を施し、外側にわずかに反っています。
西専寺に建立された宝篋印塔は、周辺地区の先祖供養や祭祀(さいし)・信仰を今に伝える文化財として地域の人々によって大切に保存されています。
お問い合せ:文化・スポーツ振興課 文化振興係
【電話】0978-62-5750
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