■木造地蔵菩薩坐像(もくぞうじぞうぼさつざぞう)〔大田地域〕
県指定年月日:1969年3月22日
彫刻/県指定有形文化財/永松地区
木造地蔵菩薩坐像(もくぞうじぞうぼさつざぞう)は、大田地域の永松地区(ながまつちく)に位置する西専寺(さいせんじ)の境内(けいだい)に安置(あんち)されています。
総高は85.0cmで材質は榧(かや)の木を使用しており、頭部(とうぶ)から体の部分である胴身部(どうしんぶ)までを2材以上の木で寄せ合わせて造る寄木造(よせぎづくり)の方法で制作(せいさく)されています。また胴身部以外にも右足・膝(ひざ)・腕・背・肘・両手前肢(ぜんし)の衣を継いで組み立て、光背(こうはい)は一重の円光背(えんこうはい)になっています。
体内に記された銘(めい)はなく、制作年代や制作者に関しては詳細不明(しょうさいふめい)ですが、仏様のお顔の部分にあたる面相部(めんそうぶ)にみられる切れ長の眉や目、うねりの強い唇、そして衣文(えもん)とよばれる衣服のしわの部分がしっかりと整っているところに中世における仏像の作風をみることができ、その制作年代は鎌倉時代末期と推定されています。
しかし、その一方でこの菩薩坐像は右足を前に出しており、これは一般的な菩薩坐像には見られない造形のため非常に珍しく、仏坐像の研究においてとても興味深い仏像となっています。
お問い合せ:文化・スポーツ振興課 埋蔵文化財係
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