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自治体の皆さまへ

人権コラム 気づき NO.45

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大分県杵築市

■「マイクロアグレッション」とは?
「マイクロアグレッション」という言葉があります。
「マイクロ」とは「小さな」、「アグレッション」とは「他者への攻撃」という意味を組み合わせた言葉です。もともとこの言葉自体は、1970年代にアメリカハーバード大学の精神科医チェスター・ピアス氏が、アメリカでのアフリカ系人種に対する日常的な差別のようすを見て提唱したものです。その後次第に、LGBT当事者や女性などさまざまな人や場面で起こる、無意識下でのささいな差別的言動を指す総称となっていきました。
人と関わる時、意図せずに、相手の心にちょっとした影を落としてしまうことがあります。そんなつもりはないのに、言動や行動で相手を傷つけてしまうのです。その小さな種は、そこかしこにあって、誰でも加害者・被害者になりえてしまいます。また、小さな種ゆえにわかりづらく、行う人が無自覚(あるいは善意)なので、何が問題だったのか理解できない場合もあります。
自分は「差別なんかしない」と思っている人も行動としてやってしまいかねないものだからこそ厄介なのです。
しかし、たとえ本人に悪意がなかったとしても「マイクロアグレッション」は、差別の一種です。無意識な差別を受け続けることは、自尊心を喪失し、気力の低下等さまざまな悪影響を及ぼします。それは、すなわち誰もが人として持っている「幸せに生きる権利」をうばうことにつながりかねません。
マイクロアグレッションが生まれる原因の多くは「思いこみ」と「無意識」、そして「無知」。つまり教育やワークショップで継続的な意識改革をすれば、無意識のうちに出てくるマイクロアグレッションは抑えられるでしょう。なおかつ、自分の発言は相手に対して失礼にあたらないだろうか? 無知やちょっとした関心から質問していないだろうか? 言葉を発する前に一度振り返ってみることが必要ではないかと思われます。
一番大切なことは、相手を尊重し偏見や先入観を捨てて一個人として接することで、自覚的になることこそが差別のない社会の一歩につながると言えるのでないでしょうか。
〔社会教育課、人権啓発・部落差別解消推進課、隣保館〕

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