■「戦争は最大の人権侵害」
戦争では、人々はさまざまな権利を制約されたり、否定されたりします。さらに、最も基本的人権の一つである「生きる権利」さえも脅かされます。このことからも、「戦争は、最大の人権侵害」であると言えます。
ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻の開始から2年余りが経過し、これにより多くの尊い命が奪われています。そして、今も多くの人たちが避難し、食糧難に陥り、ロシア軍の攻撃に怯えながら暮らしています。昨年10月にはイスラエルのガザへの侵攻がはじまり、何の罪もない人たちが、苦しんだり悲しんだりしている連日の報道にふれるにつれ、本当に心が痛みます。
今年の8月で、太平洋戦争終戦から79年が経過し、戦争を実際に体験した人は少なくなり、私たちが戦争の実体験を知る機会も次第に減ってきたのではないでしょうか。ただ、第二次世界大戦後も、世界各地では、戦争や紛争が繰り返されている事実を忘れてはなりません。大切な命を奪う戦争は本当に許されることではなく、愚かで悲しいことです。これ以上犠牲者が出ないことを強く願い、戦争が一日も早く終わることを祈らずにはいられません。この度の戦争で私たちは改めて命の尊さや平和の大切さを痛感したのではないでしょうか。しかし現実には、コロナ禍による自殺者の増加、無差別殺人、いじめや虐待により命を奪われるなど、命を脅かす悲しいニュースが後を絶ちません。人の命は何よりも大切なものであり、尊いものです。奪われていい命はこの世に一つもありません。私たちは今一度このことを胸に刻まなければなりません。そしてこのような悲劇を二度と繰り返さないために、私たち一人ひとりが、「再び戦争の惨禍は繰り返さない」、「戦争は、最大の人権侵害」と強く心に刻み、人権尊重社会の実現に向けた取組を推進していきましょう。
〔社会教育課、人権啓発・部落差別解消推進課、隣保館〕
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