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木綿(ゆふ)の山通信

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大分県由布市

今回は挾間町にある市指定重要文化財の「来鉢神社絵馬」の紹介です。
挾間町来鉢にある石城小学校の南側を東西に走る県道51号線を西に向かって道なりに進むと、左手に石造の鳥居が見えてきます。この鳥居を過ぎて左手に曲がると来鉢神社があり、神社の拝殿に縦120cm、横196cmの非常に大きな絵馬がかけられています。
額の枠には明治25年11月30日と書かれており、絵馬の右側には「文樹(あやぎ)奉納柴陽(さいよう)画」と書かれています。絵馬には、来鉢神社はもとより、遠方には高崎山や柞原八幡宮と思われる社殿も描かれています。
全体としてはお祭りの1コマを切り取ったように描かれており、踊りながら歩いている人、赤ん坊を脇に佇(たたず)む女性の姿、露店の前に群がる子どもたちなど、神官達が居並ぶ神楽殿の当時の様子を事細かに見てとれます。
この絵馬を描き、奉納したのは即願寺柴陽(そくがんじさいよう)という人物で、本名を文樹龍民(あやぎりゅうみん)といいます。柴陽は、絵画や書、俳句に優れ、特に梅を描いた掛け軸など、多くの作品を残しています。来鉢神社の拝殿には天井絵馬もあり、その中には「文樹画」と署名されたものが幾つかあります。
明治時代ののどかな風景が丹念に描かれていて、歴史的にも民俗的にも貴重なこちらの絵馬は、現在も地元の方々に大切に保護されています。

問合せ:社会教育課
【電話】097–582–1203

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