■今でも部落差別はあるのですか?
本市が2020年に実施した「市民人権意識調査報告」によると、「被差別部落の人に差別意識を持った人がまだいると思いますか」という問いに対し、「まだいる」と思っている人は42.0パーセント、いないと思っている人を5.4パーセント上回っています。
また、「差別意識は近い将来なくすことができると思いますか」という問いに対し「なくすことは難しい」と思っている人は45.0パーセント、この問題解決の難しさが表れているといえます。子どもの結婚に関しては、約7割の人は、結婚を認めるという結果になっていますが、抵抗のある人が約3割いるというのが現状です。
差別は依然として存在してることを考えるときに、注意することがあります。「差別の現実が存在する」ということと「差別の現実を認識する」ということとは同じではないということです。「ある」と「認識する」は必ずしも一致しません。たとえば万有引力の法則は自然現象として存在しますが、人類がそれを認識できるようになったのは17世紀になってからです。「現実」と「現実認識」とがずれてしまうことさえあります。部落差別の現実という社会現象を考えるにあたっては、限られた経験や実感のみに頼らず、調査や学習などに基づいた客観的・理性的認識が求められます。差別の現実をしっかり受け止めようとする姿勢や差別の現実を把握するための取り組みが問われています。とりわけ差別問題には、それが厳しいほど表面化しないという力が働く傾向にあります。部落差別の最も厳しい課題である結婚差別問題が、実態はありながらも表面化しないのは、差別の現実を差別の力がねじ伏せている状況が存在するからと言えます。
差別の現実のこうした特徴を踏まえるとき調査の役割は大きく、現実認識を共有するための人権学習活動などの重要性は高いことを私たちは理解し、あらゆる機会に「人権」や「差別」について積極的に学ぶことが大切です。
問合せ:人権・部落差別解消推進課
【電話】63-4820
<この記事についてアンケートにご協力ください。>