■「正しく知ること、学ぶこと」の大切さ
令和2年2月、横浜港に寄港した豪華客船「ダイヤモンドプリンセス」の乗客から新型コロナウイルスの感染が確認され、日本中が大混乱に陥りました。未知の感染症に人々は恐れおののき、感染者は「隔離」され、マスコミは新型コロナウイルス感染拡大に関するニュースを連日連夜報道。また、インターネット上には不確かな情報が飛び交い、マスクやティッシュペーパーの品薄状態が続きました。やがて、緊急事態宣言が発出されると、外出自粛、在宅勤務、三密回避など新しい生活様式が日常となりました。同時にコロナに対する「正しい知識」のなかった国民の間に風評が飛び交い、その結果多くの「人権侵害」を発生させてしまいました。
ところで先般、国立療養所「菊池恵楓園」を訪問する機会を得ました。園は全国に13か所あるハンセン病療養所の一つで、現在135人の方々が生活しています。ハンセン病の原因が不明の時代には感染症や遺伝病、業病などと恐れられ、日本では患者を「隔離」する政策がとられ、「無らい県運動」と称して各県では徹底した患者狩りが実施され、入所者に対し不妊手術を強制し、強制中絶をするなど人間の尊厳を著しく侵害するという悲しい歴史がありました。昭和20年代に治療方法が確立され、治る病気と判明したにもかかわらず、平成8年まで、長期にわたり「隔離」され続けました。このような国の誤った隔離政策が人々に対し、誤った認識をもたらし、偏見や差別を助長したのです。
私たちは、ハンセン病問題やコロナ感染問題を教訓として「正しい知識」を得ることの大切さを学びました。常に「正しく知ること、学ぶこと」を心がけていきましょう。
問合せ:生涯学習課
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