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第230回 郷土の植物(421)

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大分県竹田市

■オンツツジ(ツツジ科)
阿孫久見

低地(ていち)から山地(さんち)の岩場(いわば)の尾根筋(おねすじ)によく生育(せいいく)する高さ8メートルほどの落葉小高木(らくようしょうこうぼく)です。よくアカマツ林の林床(りんしょう)や林のふちで見られます。
全縁(ぜんえん)の葉は枝先(えださき)に3個が規則(きそく)正しく輪生(りんせい)します。形は典型的(てんけいてき)な菱形状卵円形(ひしがたじょうらんえんけい)で葉質(ようしつ)は厚(あつ)いです。葉脈(ようみゃく)は裏面(りめん)に凸状(とつじょう)に出て淡褐色(たんかっしょく)の毛(け)があります。大きさは長さ11センチ、幅(はば)が6・5センチほどです。秋にはふちが波(なみ)打(う)って紅葉(こうよう)します。
初夏の頃(ころ)、展開(てんかい)より早く枝先に漏斗状(ろうとじょう)の5裂(れつ)する径(けい)6センチほどの大きな朱赤色(しゅせきしょく)の花をたくさん咲(さ)かせます。
和名の由来(ゆらい)は雌躑躅(メツツジ)と呼(よ)ばれるフジツツジに比(くら)べ、本種(ほんしゅ)は全体(ぜんたい)に大きいことから雄躑躅(オンツツジ)の名があります。
竹田では、あまり観察(かんさつ)されませんが豊後大野市の傾山系(かたむきさんけい)では多く観察されます。花期(かき)は4月から5月です。

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