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竹田医師会病院 健康だより 第19回

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大分県竹田市

■急性心筋梗塞について
厚労省の報告によれば、令和4年の日本人の死因は、第1位悪性新生物、2位心疾患、3位老衰とされています。代表的な心疾患には、急性心筋梗塞(以下、心筋梗塞)、不整脈、心筋症やそれらに伴う心不全があります。ここでは、過去に県内20病院の協力で実施した調査(大分県急性心筋梗塞登録研究)に基づき、県内の心筋梗塞の特徴について述べたいと思います。
心筋梗塞は、心臓周囲の栄養血管である冠動脈が閉塞することにより発症します。強い胸痛とともに不整脈や心筋壊死を生じ、突然死や心不全の原因となります。注意すべきは、冠動脈は時間をかけて徐々に閉塞していくわけではないことです。多くの場合、動脈硬化巣(プラーク)が成長過程の比較的早い段階で突然破綻し、血管内腔が急激に閉ざされてしまうのです。しかも発症直前まで血流が十分に温存されているために、警鐘となる事前の胸痛(狭心症)がないことが多いのです。このため、心筋梗塞は発症後の適切な対応と予防が重要となります。
前述の調査の結果、県内の心筋梗塞の男女比は3対1で男性に多く、発症年齢の平均は男性69歳、女性77歳で男性が女性より8歳早く発症していました。年間を通して夏季および冬季が最多で、時間帯は10~11時と22~23時の安静時に起こりやすいという特徴がみられました。
発症年齢を検討した結果、男性においてメタボリックシンドローム(内臓肥満があり高血圧・脂質異常・高血糖の2つ以上の合併)と喫煙が、女性では喫煙が、若年(65歳未満)での心筋梗塞発症に影響を与える可能性が示唆されました。
以上のことから、心筋梗塞の予防、とりわけ若年発症の予防においては、メタボリックシンドロームや喫煙などの危険因子を早期に取り除くことが重要であると考えます。当院も医師会の先生方と協力し、心疾患の診療に取り組んでいます。

院長 原 政英

問合せ:竹田医師会病院
【電話】63-3241

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