■ユキザサ(キジカクシ科)
阿孫久見
低山地(ていざんち)から山地の腐葉土(ふようど)で埋(う)まった一定(いってい)の湿度(しつど)を保(たも)つ落葉樹林(らくようじゅりん)内(ない)に生育(せいいく)する高さ20~70センチほどの多年草(たねんそう)です。茎(くき)を斜(なな)めに立て、茎の基部(きぶ)にはうすい膜質(まくしつ)の葉鞘(ようしょう)があり茎を包(つつ)んでいます。
接近(せっきん)してつく互生(ごせい)の葉(は)は全縁(ぜんえん)で形(かたち)は長い卵形(らんけい)で先がとがります。葉のふちの下部(かぶ)には毛(け)があります。
初夏(しょか)の頃(ころ)、茎頂(けいちょう)に円錐花序(えんすいかじょ)をつくり径(けい)8ミリほどの純白(じゅんぱく)の小さな6弁花(べんか)を集(あつ)めて咲(さ)かせます。花のあと、秋には真(ま)っ赤(か)な径7ミリほどの球形(きゅうけい)の液果(えきか)(写真 ※本紙参照)をつけて人目を引きます。
和名の由来(ゆらい)は雪白(ゆきじろ)の花と平行脈(へいこうみゃく)のある葉をササに見立(みた)てて雪笹(ユキザサ)の名があります。
竹田では祖母山系やくじゅう山系の山麓(さんろく)から中腹(ちゅうふく)にかけて、木漏(こも)れ日(び)の差(さ)す林内で観察(かんさつ)されます。花期(かき)は4月から5月です。
※連載35周年記念「郷土の植物展」開催中。竹田市歴史文化館にて7月24日(水)まで。
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