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第233回 郷土の植物(424)

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大分県竹田市

■ボロボロノキ(ボロボロノキ科)
阿孫久見

低地(ていち)から丘陵地(きゅうりょうち)の林内(りんない)に生育(せいいく)する高さ10メートルほどの落葉小高木(らくようしょうこうぼく)です。枝(えだ)はもろくて折(お)れやすく、また小枝(こえだ)は勢(いきお)いの悪(わる)い枝があり冬には脱落(だつらく)する性質(せいしつ)があります。
互生(ごせい)の葉(は)は全縁(ぜんえん)の長卵形(ちょうらんけい)で先が尾状(びじょう)にとがります。大きさは長さ8センチ、幅(はば)が5センチほどです。
春の頃(ころ)、新しい枝の葉のわきに2~4個の芳香(ほうこう)のある白緑色(はくりょくしょく)の径(けい)3~4ミリの筒型(つつがた)の雌雄(しゆう)異(こと)なる小さい花(がく)を咲(さ)かせます。5裂(れつ)する花の先は反(そ)り返(かえ)ります。花のあと、赤色(せきしょく)から熟(じゅく)すと黒色(こくしょく)になる径7ミリほどの楕円形(だえんけい)の果実(かじつ)をつけます。面白(おもしろ)いのは、この果実のみの果汁(かじゅう)しか吸(す)わないベニツチカメムシという昆虫(こんちゅう)がいて群(むら)がります。
和名の由来(ゆらい)は、枝がもろく折れやすいことから幌々の木(ボロボロノキ)の名があります。
竹田では、市(し)南部(なんぶ)のごく限(かぎ)られた産地(さんち)で観察(かんさつ)されたのですが、地区民(ちくみん)が植樹(しょくじゅ)をするのに無造作(むぞうさ)に伐採(ばっさい)し失(うしな)われました。大分県の絶滅危惧種(ぜつめつきぐしゅ)。花期(かき)は3月から4月です。

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