■「豊後武士団ゆかりの仏像 木造如来形坐像・木造不動明王坐像残欠」(県指定有形文化財)
豊後大野市資料館の総合展示室では、高さ2mを超える巨大な仏像を2体展示しています。この仏像はもともと緒方町軸丸南区の熊野社境内のお堂に安置されていました。
右側の木造如来形坐像(もくぞうにょらいがたざぞう)※は高さ2.57m、頭部から胴部にかけては一本の巨大なクス材を用いて造られています。左側の木造不動明王坐像残欠(もくぞうふどうみょうおうざぞうざんけつ)※は高さ2.05m、一本のヒノキ材で造られています。仏像の表現や用いられている技法などから、どちらも平安時代末期頃に造られたと推定されています。このことから、平安時代末期の緒方に、大きな力を持った勢力が存在していたことをうかがわせます。
当時の緒方は、宇佐神宮の荘園「緒方荘(おがたのしょう)」が置かれ、豊後武士団・大神(おおが)一族を率いた緒方三郎惟栄(これよし)の本拠地であったことから、惟栄ゆかりの仏像ではないかと考えられています。
※本紙写真参照
◇企画展「自然と歴史が紡いだ景観」
資料館では、重要文化的景観「緒方川と緒方盆地の農村景観」選定を記念し、企画展を開催します。初公開資料もありますので、ぜひお越しください。(観覧無料)
期間:1月5日(金)~3月31日(日)
開館時間:9時~17時 ※入館無料
休館日:月曜・祝日・年末年始(12月28日~1月4日)
問い合わせ先:豊後大野市資料館ジオパークミュージアム(市図書館隣)
【電話】0974-24-0040
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