■活動3 今考える「親なきあと」
「親なきあと」とは、親から日常的な支援を受けて暮らしてきた障がいのある人が、親の加齢や死によって、生活上のさまざまな課題に直面することをいいます。本市では、保護者などが「親なきあと」の支援を考え、準備を進める契機となるよう『想いをつなぐノート』を作成しています。将来的な支援について、「親あるうち」から考えてみませんか?
・「想いをつなぐノート」の詳細は市ホームページからご覧いただけます。
・18歳未満で障がいのあるお子さん向けの「やおっこファイル」もあります。
八尾市独自の『想いをつなぐノート』『やおっこファイル』をご活用ください!
◆いつかの備えは、親が元気なうちから。
『想いをつなぐノート』を監修された、(一社)親なきあと相談室 関西ネットワーク代表理事の藤井奈緒さんにインタビュー!本市在住で障がいのある子を持つお母さんでもある藤井さんに「親なきあと」の活動やノートに込めた想いなどについて、お話を伺いました。
▽親の役割を、少しずつ誰かに託していく
私には娘が2人いて、長女には重度の知的障がいがあります。私がいなくなった後、次女一人に長女の世話を引き受けさせてはいけないと思い、将来に備えて勉強を始めたのが活動のきっかけです。私は終活カウンセラーでもあるので、長女の親なきあとへの備えは、イコール自分の終活でもありました。
その経験で得た情報を共有するために、仲間と立ち上げたのが「親なきあと相談室」です。税理士や行政書士など専門知識を持つメンバーがさまざまな相談をお受けするとともに、定期的に講演会も行っています。私は講演でお金の残し方について、お子さんのためにいくら貯めるかよりも、そのお金を誰にどう管理してもらうかが重要だというお話をします。お金があれば安心と思いがちですが、大切なのは残し方。毎日世話をしていると意外と気付かないこういったことについて、分かりやすくお話ししています。
この活動を始めてから「何かあったときに相談できるのが心強い」というお声をいただくことがあります。とてもありがたいのですが、なるべく何もないうちに、親の役割を誰かに託してほしいというのが私たちの想いです。親御さんが亡くなっていきなり他人のお世話になるのはお子さんの負担も大きいので、元気なうちから少しずつ支援者さんと共に暮らす環境を整えるのが良いと思います。
▽子ども自身の「幸せ」を考えるきっかけに
『想いをつなぐノート』は、子どもの情報を支援者さんにつなぐためのものです。私が意識したのは、親だけでなく、本人を知るさまざまな立場の人にも書いてもらうこと。本人が親なきあとに生きていく姿は、親以外の人に見せている姿に近いのではないかと思います。ですから、それぞれが知っているその子の姿を共有する項目を設けました。
また、家族の願いとは別に、本人の願いを書く項目も作っています。私も自覚がありますが、親は子どものことを全て分かっているつもりになりがちです。私の娘は言葉を話せませんが、それでも「この子は何を願っているのだろう?」と考えることはとても大切。本人が望むことは何か、どんな暮らしをしたいのか、このノートがそのことを考えるきっかけにもなればと思います。
「何かあってから」ではなく、何もないうちから備えを始めましょう!
「親なきあと」に関するご相談は、市役所本館1階 障がい福祉課 基幹相談支援センターでも受付けします
【電話】924-3838【FAX】922-4900
■クイズやおQの答え
正解は「くれよん組」。平成19年度にこれまでの会議の振り返りと、今後の会議の在り方についての話し合いが行われた際、八尾市障がい者基本計画ワーキング会議の愛称が「くれよん組」と名付けられました。
問合せ:障がい福祉課
【電話】924-3838【FAX】922-4900
<この記事についてアンケートにご協力ください。>