市の北西部・約4km四方に44基の古墳がまとまって現存する百舌鳥古墳群。世界中の人々の宝物として、令和元年7月6日に古市古墳群(羽曳野市・藤井寺市)とともに世界遺産に登録されました。登録から5周年を迎える今、改めてそのスゴさを学んでみませんか?
■百舌鳥・古市古墳群の古墳のサイズは?
仁徳天皇陵古墳は、エジプトのクフ王のピラミッドや秦の始皇帝陵と並ぶ世界三大墳墓の一つで世界最大級の古墳です。さらに日本で3番目に大きい履中天皇陵古墳、7番目のニサンザイ古墳など、百舌鳥古墳群には日本有数の巨大前方後円墳が含まれています。
■なぜ堺には大きな古墳がたくさんあるの?
政治の中心が奈良や大阪にあった古墳時代の最盛期(4世紀後半~5世紀後半)、大阪は大陸とつながる航路の発着点でした。港に近く目立つ所に大きな古墳を造ることで、政権勢力の強さを国内外に示す目的があったのではないかと考えられています。
◎100基以上あった古墳のうち、現存するのは44基。田畑や道路、住宅を造るために半数以上が壊されました。かつて壊されそうな古墳を市民の力で守ったこともあります。大切な文化財を、後世に守り継いでいきましょう。
世界遺産課職員
■古墳はどうやって造られたの?
古墳造りにはくわ・すきなどの農工具や、石を運ぶためのそりなどが使われ、周辺地域から何千人もの人が従事したようです。墳丘長486m・高さ35mの仁徳天皇陵古墳の場合、一日最大2,000人が働き、15年8カ月かけて造ったとの試算があります。
◆大きな古墳の造り方(一例)
(1)古墳を造る場所を選び、平らに整える
(2)設計図を基に地面に縄を張り、古墳の形や長さを決める
(3)周囲に濠を掘り、その土を盛って墳丘を造る
(4)墳丘が崩れないよう、斜面に石を敷く
(5)ひつぎを納める石室を造り、周囲に埴輪を並べる
■古墳の形はどうやって決まるの?
古墳には鍵穴のような形の前方後円墳の他に、円形の円墳、四角形の方墳、帆立貝形墳など、さまざまな形があります。一説では古墳の大きさや形は、埋葬された人の権力や社会階層の違いを表しているとされ、中でも前方後円墳は最も有力な王や豪族の墓だと考えられています。
■古墳にはどんな埴輪が並んでいるの?
筒形の「円筒埴輪」や、家や船、人物、動物形の「形象埴輪」が並べられました。円筒埴輪には墳丘の崩壊防止や古墳との境界線の役割が、形象埴輪には死後も悪霊や災難から埋葬者を守る役割があったと考えられています。
◆《いろんな形の古墳を実際に見に行こう!》大仙公園
園内には8つの古墳があり、帆立貝形墳、円墳、方墳を見ることができます。西側には履中天皇陵古墳を望むビュースポットも。
場所:堺区東上野芝町1丁4-3
問合せ:大仙公園事務所
【電話】241-0291
【FAX】241-6187
◆《古墳を学ぶなら、まずはココ!》百舌鳥古墳群ビジターセンター
圧倒的なリアリティの空撮映像で古墳群の雄大さを体感できるシアターや古墳の価値や魅力を紹介する展示コーナーの他、古墳グッズの販売もあります。
場所:堺区百舌鳥夕雲町2丁160
開館:9~18時
問合せ:
・同センター
【電話】245-6682
・世界遺産課
◆《夏休みの自由研究にぴったり!》堺市博物館
百舌鳥古墳群から出土した埴輪や甲冑(かっちゅう)などの副葬品の他、石棺の再現模型も展示。スクリーンを使った百舌鳥古墳群シアターも上映しています。
場所:堺区百舌鳥夕雲町2丁大仙公園内
開館:9時30分~17時15分(入館は16時30分まで)
問合せ:学芸課
【電話】245-6201
【FAX】245-6263
◆《企画展》ハニワ大解剖─埴輪の謎を解き明かせ!─
百舌鳥・古市古墳群から出土した約170点の埴輪を展示。仁徳天皇陵古墳から出土し、古墳築造時の姿に復元した円筒埴輪も初公開します。親子で楽しめるワークショップなども開催予定。
日程:7月6日~9月1日
問合せ:世界遺産課
【電話】228-7014
【FAX】228-7251
※詳しくは広報紙P4-5をご覧ください。
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