◆(10)明治天皇行幸 小学校生徒授業天覧図
明治10(1877)年、明治天皇が堺に行幸(天皇が外出すること)されたことをご存じでしょうか。1~7月の約半年間、天皇は京都を中心に滞在し、2月7~16日に奈良・大阪へ行幸されました。2月13日には堺を訪れ、熊野(ゆや)小学校での授業や、国内で先駆的な機械工場であった戎島(えびすじま)綿糸紡績所をご覧になっています。小学校の授業には、堺県(現在の大阪府の一部と奈良県全域)の各地から487名の子どもが集められました。
この授業の様子を、後年に描いた絵画があります。作者は堺在住の芝村玉月(しばむらぎょくげつ)で、昭和3(1928)年に制作されました。熊野小学校にはこの他に、戎島綿糸紡績所で天皇が使用された「御椅子」など、堺行幸ゆかりの品が今も残されています。
堺市博物館では、堺の人々と皇室・陵墓の関わりを物語る品々を企画展「仁徳天皇陵と近代の堺」(10面)で展示します。この機会にぜひご覧ください。
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