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自治体の皆さまへ

マンションのみんなで取り組む マンションde防災

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大阪府大阪市中央区 クリエイティブ・コモンズ

◆区長がお話を聞きました
9割以上が共同住宅・マンションにお住まいの中央区では、そうした特性に応じ「マンション防災」を進めていく必要があります。
そこで、これからの時代の防災について考える機会とするため、マンション内で積極的にマンション防災を進めておられる”The Kitahama管理組合防災委員会の皆さん”にお話をうかがいました。

◆理事長竹下さん・委員濱本さん・委員浅野さん(The Kitahama管理組合)×稲嶺中央区長(中央区役所)
当日は管理会社の株式会社長谷工コミュニティの脇さんと平塚さんも同席してくださいました。

◇The Kitahama管理組合の仕組み

◇―他人事にならない新たなシステム作りを―
区長:皆さん、本日はお忙しいところ集まっていただき、ありがとうございます。早速ですが、The Kitahamaでは、どのような取組を行っているのでしょうか。

浅野:「防災のしおり」というThe Kitahamaの防災マニュアルの見直しです。
以前から、フロアごとに責任者を置く(フロア委員)などマニュアルはありました。しかし、長く内容が更新されておらず、機能もしていなかったことで、ここ2,3年で見直そうという動きになっています。今の時代、近所づきあいも薄く、どこに誰が住んでいるかわからない。これではいざというとき助け合えない。そのため、フロア委員を輪番でお願いするなど、他人事にならない新たなシステム作りをしているところです。

濱本:他人事にならないシステム作りの必要性は私自身の経験からもとても高いと感じています。私がフロア委員であった北部地震の時、全く統制が取れていないのを目の当たりにしました。この経験から、人任せにするのではなく現状に合った体制を作ることが重要だと考え、防災委員になりました。

竹下:災害時には高齢者への配慮が必要です。マンション居住者も高齢化していることから、その対策をする部会も設置して、話し合いを進めています。

◇―在宅避難の周知が課題―
区長:経験や時代に沿った取組をしっかりしておられるのですね。ところで、タワーマンションにお住まいの方々として実際に震度7の地震が発生した場合の課題や対策についてはいかがですか。

濱本:実際起こったら、「すぐにマンションを出て避難しないといけない」と思っている方が多いです。そのため、在宅避難の周知が課題ですね。

竹下:私も、現在備えてある「防災のしおり」に書いてある通り、多くの方が逃げることを優先すると思われます。パニック状態となり、2次、3次被害が起こりうることを防ぐためにも、新たなルールを作り、浸透させていくことが必要と考えています。

◇―まずは、「自助」各自で備えを―
浅野:マンションは揺れでは大丈夫だと思いますが、そのあとのことを考えていかないといけないと委員会で話し合っています。安否確認なども対策を講じないといけない問題ですし、在宅避難となれば備蓄も1日や2日では足りない。トイレや水をどうするかなど、揺れが起こった後の対策に意識を持ってもらわないといけないと考えています。また、「家族のつながり」を考えると、発災後の集合場所を決めておくことも大事だと思うので、そういったことも「防災のしおり」に書いておくべきだろうと考えています。

濱本:もちろん、お互いの助け合いが大事ですが、各自での備蓄もお願いしたいですよね。自分ですること、全体ですることを切り分けての対策が必要ということです。

区長:やはり、まず「自助」、それからマンションでの「共助」ということが重要なんです。区役所でも、マンション防災出前講座などで、管理組合の皆さんに、それぞれの事情に合わせたマンション防災に取り組んでいただくようお願いをしているところです。

竹下:The Kitahamaでも利用しました。どういった取組をしていったらいいか大変参考になりましたね。災害時には、最新の情報を収集することが必要です。大阪市の防災アプリもマンション内でチラシを配布して周知しています。使い勝手など、どんどん改善していってもらえたらありがたいですね。

浅野:アプリなどはインターネットがつながる前提ですよね。災害時に固定基地局が被害に遭いインターネットが不通になった際の対策として、携帯電話会社と災害時仮設移動基地局設置等の支援協定を行政として結んでいただければと期待しています。

◇―地域とも緩やかにつながる―
区長:貴重なご意見ありがとうございます。
普段から考えていただきたいこととして、地震発生時にどこにいるかによっても事態が異なるということです。例えば、外出時に災害が発生した場合、自宅に戻れないということも起こりえます。では、避難所に、となると、避難所の開設・運営を行う町会等の地域と緩やかにでもつながることが必要ではないでしょうか。

浅野:そうですね。やはりマンションから町会の役員をだして、協力しながら情報を共有するということが肝要と思います。

区長:そう思っていただけるのはありがたいですね。近所づきあいが薄い今の時代だからこそ、興味のある地域行事だけでも参加するといったように各自でも地域と緩やかにつながっていただきたいんです。町会とは、普段は子どもたちなどもいっしょに人との触れ合いを楽しみ、さりげなく高齢者を見守れる、そして、地震発生時などいざというときに助け合える。それが安心な暮らしにつながるので、マンションにお住まいの皆さんにぜひお伝えしたいところです。
本日はありがとうございました。皆さんのお話をしっかりと区役所の取組に生かしてまいります。

※始まっています!!マンションde防災!!マンション防災講座については本紙二次元コードをご参照ください。

問合せ:市民協働課(市民協働)5階51番
【電話】06-6267-9843【FAX】06-6264-8283

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