■9月1日は防災の日
8月30日~9月5日は防災週間[保存版5~8面]
■能登の被災地支援区職員らの報告から
元日に起きた能登半島地震。北区役所の職員も、大阪市のカウンターパート支援先である輪島市などに派遣され、被災地を支援しました。派遣時期や担当の異なる3人が、現地での経験を踏まえて北区の課題を語り合いました。
◇道路被害で支援は停滞する
地域課で防災を担当する横峯靖人さんは1月14日~19日、輪島消防署に臨時開設された避難所の運営支援に入りました。約70人が身を寄せ、レトルト食品や缶詰をカセットコンロで湯せんして食べる日々。「疲れとストレスに加え偏った食事で体調を崩される方が多く、毎日のように救急搬送があった」と振り返ります。
ある日、避難所のまとめ役をしている男性がつぶやきました。「東日本大震災や熊本地震はどこか他人事やった。これまでも奥能登では大きな地震があったのに、備えが十分じゃなかったと後悔している」――その言葉が忘れられない、と横峯さんは話します。「都市部で強固な建物が多い北区と奥能登地方の建物被害が全く同じとは考えにくいでしょう。しかし道路損壊や液状化現象が起きれば物流が止まり、支援は滞る。インフラが失われた中で、数日は自宅などで避難生活を送る必要がある。災害を自分事として真剣に考え、備えてほしい」
◇お薬手帳を持ち出せる場所に
健康課の保健師、秦隆樹さんは2月15日~19日、能登町で避難所巡回や戸別訪問をしました。「今後のことが不安になって、精神的にしんどくなる人が増えていた」と話します。避難所内でのトラブルが増え、咳込む人に周囲が神経をとがらせる場面も。それらの不安を受け止めるとともに、咳込む人を医療につないだりもしました。
かかりつけ医で受診できず、大きな病院で処方を受けたものの、普段飲んでいる薬が分からなかったために、同じ効能の薬が重複していたケースもありました。「お薬手帳を作り、すぐ持ち出せる場所に置いて」と秦さん。一方で、訪問時に不在だった人の所在を地域の人が把握していることが印象的で、「地域のつながりが災害時に活きる。都市部だと、なかなかこうはいかないのかな、と感じました」
◇適材適所で回る避難所運営
福祉課の福田博規さんは、担当する民生委員児童委員協議会が災害時の対策を検討していることから、派遣を志願しました。3月6日~11日に入った輪島市立大屋小学校の避難所は、地域の自主組織が運営を担っていました。「役割分担や指揮命令系統ができ上がっていて、私たちも朝礼・夕礼に参加して報告や連絡を聞き、必要とされること、指示されたことをしていました」
適材適所の避難所運営には学ぶことが多く、例えば食材担当の方の的確な指示の下、食材が上手く回っていました。「地域でどこにどんな人がいるかを把握しておくことも重要。日頃から支援を必要とする方を見守る民生委員・児童委員の経験とスキルを活かし、地域の状況に応じて各種団体と連携するなど、何ができるかを委員の皆様と一緒に考えていきたい」と話します。
◇地域コミュニティの重要性実感
北消防署の署員も輪島市に派遣されました。2部特別救助隊隊長の堀田晋吾さんは、1月16日~21日まで現地で行方不明者の捜索に従事。倒壊した家屋に土砂が流れ込んだ現場では、小さなミスが更なる被害を引き起こします。「過去の災害での活動を参考に、土砂の搬出や狭い空間に閉じ込められた方の救助などの訓練を積み重ねてきた。それが活かされた」と話します。
また、遠方から派遣される職員にとっては、地域情報が非常に重要です。「輪島市ではエリアごとに捜索範囲が割り当てられ安否確認を行いましたが、住民の方に近隣の被災状況を聞くと、正確で詳細な情報をいただき、スムーズに活動を終えることができました。地域コミュニティの重要性を改めて実感しました」
◆地域防災リーダーをご存じですか?
地域防災リーダーは、地震・風水害その他の災害が発生した場合に、地域の自助・共助によって被害を防止・軽減するため、地域の自主防災組織の中心となって消火活動や救出救護活動、避難所の開設や運営などを行うボランティアの方々です。
5月18日に開催された豊崎本庄小学校(本庄西2)の防災授業では、地域防災リーダーが、これまで習得した技術・知識を活かし、子どもたちに消火活動や避難方法の指導を行いました。
・北区地域防災リーダー(本庄連合振興町会会長) 二口勇さん
本庄地域では、防災イベントの運営や小中学校での防災学習を地域防災リーダーが積極的に支援しています。阪神・淡路大震災の時には、隣近所や町会・自治会が中心となって住民の支援にあたったことで、被害の拡大を防ぎました。日頃から地域とのつながりを持つことが災害の備えとなります。
問合せ:地域課
【電話】06-6313-9734【FAX】06-6362-3823
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