■大正区の喫煙率について知っていますか
・大正区の喫煙率のグラフ
男性 ・大阪市25.9パーセント・大正区33.6パーセント(大阪市ワースト1位)
女性 ・大阪市9.6パーセント・大正区13.5パーセント(大阪市ワースト3位)
(出典 令和3年度国民健康保険特定健診データ)
このグラフは令和3年度の国民健康保険特定健診受診者のうちの喫煙者の割合です。大阪市と比較して割合が高いことがわかります。喫煙者の中にも タバコの害は十分に分かっているけれどやめられない という方は多くいらっしゃると思います。どうしてでしょうか?
やめられない理由のひとつは、タバコに含まれるニコチンによるものです。ニコチンが脳内の受容体に結合し、ドパミンというホルモンが放出され、一時的な快感を生じます。しかし、このドパミンは1時間もすると尿中に排出されてしまうため、またすぐにタバコを吸いたくなってしまいます。これがタバコが生み出す 依存症 なのです。タバコが健康に悪いとは知りながら、禁煙に取り組めない。禁煙に何度もトライしたものの挫折してしまう。そんな方はニコチン依存症の可能性があります。それゆえに、自分の意志だけで禁煙するのは難しいと言えます。そのような場合は、専門家に相談してみるというのも一つの方法です。
今回は、実際に禁煙外来を担当されている大阪府済生会泉尾病院呼吸器内科部長の河面医師に、禁煙外来の実情についてお話をお伺いしました。
(大阪府済生会泉尾病院 呼吸器内科 部長 河面聡(こうもさとし)医師)
◇河面医師
喫煙は、がん、循環器疾患、呼吸器疾患、歯周病、糖尿病などさまざまな生活習慣病を引き起こす要因となります。また、たばこは喫煙者だけではなく周囲の人にも影響を及ぼします。特に、こどもが受動喫煙にさらされると、ぜんそくや気管支炎などにかかる確率が高まります。
喫煙習慣はニコチン依存症という病気だと考えられています。そのため、一定の条件を満たせば、誰でも保険適応で禁煙治療を受けることができます。禁煙治療は3か月治療、5回の診察(初回、2週間後、4週間後、8週間後、12週間後)があります。
▽禁煙外来のスケジュール
0週(初診 スタート 禁煙開始日に完全禁煙)、2週後、4週後、8週後、12週後(最終診察 ゴール)
▽禁煙外来の内容
・1…問診によるニコチン依存度の判定
・2…呼気一酸化炭素濃度測定
呼気に含まれる一酸化炭素濃度の量を確認します。禁煙をし、肺がきれいになっているかという指標になります
・3…禁煙補助薬の処方(ニコチンガム・ニコチンパッチ)
・4…禁煙するための専門的なアドバイス
離脱症状(ニコチン切れによる病的な症状)のイライラの対処法や気分転換の方法など、専門的なアドバイスを受けることができます。
※喫煙に伴う疾患が疑われる場合は、併せて院内各科で診療します
大正区保健福祉センターでは、禁煙にチャレンジする方へ向けた禁煙手帳を作成しています。 この手帳は、禁煙の記録をつけることができ、禁煙のポイントやコラムなど禁煙に役立つ情報が満載です。喫煙は百害あって一利なしです。
あなたも禁煙にチャレンジしてみませんか?
[3すべての人に健康と福祉を]
問合せ:保健活動3階32番
【電話】4394-9968
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