■10月はピンクリボンキャンペーン月間です
「ピンクリボン」あなたは知っていますか?見たことはある、という人は多いかもしれません。ピンクリボンは、乳がんの早期発見・早期治療の大切さを伝える活動のシンボルマークです。
◇早く見つかれば怖くない乳がんについて
・竹田乳腺クリニック 院長・乳腺専門医
竹田靖(たけだやすし)先生
profile:
昭和53年 京都府立医科大学卒業
昭和61年〜平成16年 松下記念病院(主として乳腺外科に従事)
平成16年 竹田クリニック開院(現在竹田乳腺クリニック)
現在開院後20年に至る
日本乳癌学会専門医
マンモグラフィ読影医(AS判定・指導者相当)
◇日本の乳がん罹患率と死亡率
知っていますか?乳がんは日本女性のがんで罹患数が最も多いがんで(図1)、生涯約9人に1人が乳がんになるといわれています。また、図2のように近年日本において乳がんは罹患率、死亡率ともに増加傾向にあります。
しかし、乳がんの予後は他のがんに比べると悪くなく、10年生存率は早期乳がんでは90%を超えています。すなわち、乳がんは早期発見すれば9割以上治るといえます。
図1
出典:国立がん研究センターがん情報サービス
図2
資料:国立がん研究センターがん対策情報センター
Source:Center for Cancer Control and Information Services,National Cancer Center, Japan
◇乳がん検診
そこで、早期乳がんを発見するためには乳がん検診が必要となります。
乳がん検診の目的は乳がんで亡くなる人を減らすこと(死亡率減少効果)ですが、この死亡率減少効果が明らかになっている検査方法は、現在のところマンモグラフィだけです。
超音波(エコー)も任意型乳がん検診(個人の自己責任で受診する検診)では一般的な検査方法ですが、現在のところ死亡率減少効果はまだ明らかではなく、対策型乳がん検診(国が税金を投入し市町村が行う住民検診)では用いられていませんが、将来的には住民検診にも導入される可能性もあります。
◇マンモグラフィ検診
日本女性の乳がん好発年齢が40歳から60歳代ですので、日本では40歳以上の女性に住民マンモグラフィ検診が推奨されています。
ただ、乳がんを100%発見できる方法はなく、マンモグラフィで写りにくい乳がんもあります。
一度の検診で異常がなくても、定期的にマンモグラフィ検診を受け続けることが大切で、また検診間隔の間にご自分で異常を感じられたら、すぐに乳腺外来を受診してください。
またブレスト・アウェアネスという概念にもつながります。
◇ブレスト・アウェアネス
これまでは、自己が行う乳房チェックは「自己触診」の用語が広く用いられてきましたが、この「自己触診」は手技の習得に個人差があり手技が煩雑でもあるため、近年英国で提唱されたブレスト・アウェアネスという新たな概念が日本でも啓発が進められています。
この考えは日本では「乳房を意識した生活習慣」と定義され、4つのポイントが挙げられています。すなわち
(1)普段から自分の乳房の通常の状態に関心を持ち続け、大きさ・硬さ・左右差・月経周期の変化などを把握しておくようにしてください。
(2)異常を探すという意識よりも、早く乳房の変化に気付くことが大切です。変化のポイントとしては、乳房のしこりや違和感・皮膚のくぼみやもりあがり・引きつれ・乳頭から血液や黒い分泌物があるなどです。
(3)変化に気付いたら乳腺外来を受診しましょう。次の検診を待たず、自己判断で先延ばしせずに、乳腺外来のある医療機関を早期に受診しましょう。
(4)40歳になれば、最低2年に一度乳がん検診を受けましょう。さらに、検診で異常を指摘されたときは、放置せず必ず精密検査を受けましょう。また、住民マンモグラフィ検診の対象とならない39歳以下の女性には、若年性乳がんの早期発見につながる概念として普及が期待されます。
以上、乳がん検診について簡単に説明させていただきましたが、普段当院の乳腺外来で乳がんの発見時に、私が患者様に告知する際よく聞かれることがあります。それは「先生、私もう乳がんで死ぬんですか?」そのとき即座にお答えします。「いいえ、早期の乳がんは10年生存率が9割以上あり適切な治療すれば治りますよ、死には直結しません」と。
しかしながら、長年しこりに気付いておられても、来院されたときにはすでにIV期(乳房と離れた臓器に移転している状態)という患者様が稀におられるのも現実です。乳がんは早期発見で治るがんだとの認識を持っていただき、勇気を持ってぜひ乳がん検診をお受けください。自分、そして大切な家族のために。
◆乳がん検診
対象:40歳以上の女性(2年に1回の受診)
検診内容:マンモグラフィ検査
費用:
40〜49歳…1,000円
50歳以上…700円
守口市国民健康保険加入者は被保険者証を提示すると、費用が無料になる助成制度があります。
申込期間:5月〜令和7年1月末
実施期間:6月~令和7年2月末
場所:委託医療機関
受け方:
(1)電話またはオンラインで予約する。
予約専用電話番号【電話】06-6992-2347(平日9:00~17:30)
オンライン予約 24時間対応可
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(2)予約後、検査日までに「予約票」「マンモグラフィ受診票」が自宅に送付される。
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(3)医療機関でマンモグラフィ検査を受ける。
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(4)検査後、おおむね1カ月~1カ月半後に、保健センターから結果が送付される。
・マンモグラフィ検査委託医療機関
問合せ:健康推進課
【電話】06-6992-2217
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