守口市(もりぐちし)には、夜間中学(やかんちゅうがく)(さつき学園(がくえん)夜間学級(やかんがっきゅう))があります。1973年(ねん)、さつき学園(がくえん)の前身(ぜんしん)である旧第三中学校(きゅうだいさんちゅうがっこう)に開設(かいせつ)して以来(いらい)、北河内地区(きたかわちちく)でただ一(ひと)つの夜間中学(やかんちゅうがく)として「学(まな)び」の歴史(れきし)を重(かさ)ね、2023年度(ねんど)で50周年(しゅうねん)を迎(むか)えました。さつき夜間(やかん)では現在(げんざい)、約(やく)100人(にん)の生徒(せいと)が、さまざまな思(おも)いを胸(むね)に日々(ひび)の勉強(べんきょう)に取(と)り組(く)み、未来(みらい)に向(む)かって歩(あゆ)んでいます。
■“三中夜間(さんちゅうやかん)”から“さつき夜間(やかん)”へ 50年(ねん)の歴史(れきし)を越(こ)えて
◇夜間中学(やかんちゅうがく)ってどんなところ?
夜間中学(やかんちゅうがく)は戦争(せんそう)・貧困(ひんこん)・差別(さべつ)をはじめ、歴史的(れきしてき)、社会的(しゃかいてき)なさまざまな事情(じじょう)により、小学校(しょうがっこう)や中学校(ちゅうがっこう)を卒業(そつぎょう)できなかった人(ひと)たちなどに、義務教育(ぎむきょういく)の「学(まな)び」を保障(ほしょう)する学校(がっこう)です。「ひらがな」から中学校(ちゅうがっこう)で学(まな)ぶ内容(ないよう)までを勉強(べんきょう)しています。さつき学園(がくえん)は、小・中学校(しょう・ちゅうがっこう)にあたる前期(ぜんき)・後期課程(こうきかてい)の子(こ)どもたちと夜間学級(やかんがっきゅう)の生徒(せいと)がともに学(まな)ぶ、日本(にほん)でも珍(めずら)しい学校(がっこう)です。
原田(はらだ)英和(ひでかず) 校長(こうちょう)
◇どんな人(ひと)が学(まな)んでいるの?
義務教育(ぎむきょういく)の年齢(ねんれい)を超(こ)えた16歳(さい)から90歳代(さいだい)までの、日本(にほん)をはじめ、さまざまな国籍(こくせき)の人(ひと)たちが学(まな)んでいます。戦中(せんちゅう)・戦後(せんご)の混乱期(こんらんき)に学校(がっこう)に通(かよ)えなかった人(ひと)、敗戦時(はいせんじ)に中国(ちゅうごく)・「満州(まんしゅう)」に取(と)り残(のこ)された日本人(にほんじん)やその家族(かぞく)、十分(じゅうぶん)な教育(きょういく)を受(う)けられないまま外国(がいこく)から来(き)た人(ひと)など、年齢(ねんれい)や国籍(こくせき)、生活文化(せいかつぶんか)、学習経験(がくしゅうけいけん)も多様(たよう)な人(ひと)たちです。雨(あめ)の日(ひ)も風(かぜ)の日(ひ)も、“生徒(せいと)さん”たちはひたむきに学(まな)んでいます。
山田(やまだ)充慶(みつよし) 教頭(きょうとう)
◇今(いま)、注目(ちゅうもく)される夜間中学(やかんちゅうがく)
2016年(ねん)に「教育機会確保法(きょういくきかいかくほほう)」が成立(せいりつ)して以来(いらい)、国(くに)・文部科学省(もんぶかがくしょう)は夜間中学(やかんちゅうがく)を重視(じゅうし)し、これまで大阪(おおさか)や東京(とうきょう)などにわずかしかなかった夜間中学(やかんちゅうがく)の全国的(ぜんこくてき)な開設(かいせつ)、教育(きょういく)の充実(じゅうじつ)を進(すす)めています。多様性(たようせい)(ダイバーシティ)が求(もと)められている現在(げんざい)。「だれもが公平(こうへい)に、良(よ)い教育(きょういく)を受(う)けられるように、また一生(いっしょう)に渡(わた)って学習(がくしゅう)できる機会(きかい)を広(ひろ)めよう」というSDGsの目標(もくひょう)とも一致(いっち)する夜間中学(やかんちゅうがく)の存在(そんざい)が、今(いま)、注目(ちゅうもく)されています。
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