■エールを胸に、共に生きる
-YELL×TOGETHER-
2024年、パリオリンピック・パラリンピックイヤーが幕を開けました。
この一年の始まりに、本市在住で障害者スポーツで活躍される皆さんをお招きし、「共生」をテーマにお話しいただきました。
・田中 秀昭
柏原市議会議長
・冨宅 正浩
柏原市長
・堀越 信司さん
柏原市在住。東京2020パラリンピック陸上競技 男子マラソン(視覚障害T12)銅メダリスト。
NTT西日本陸上競技部所属
・宮野 榛さん、池田 才芽さん
柏原市在住。たまがわ高等支援学校卒業生。特別全国障害者スポーツ大会「燃ゆる感動かごしま大会」ソフトボール大阪代表
◇パラリンピアンに聞く障害者スポーツとは
冨宅市長:本日は、お集まりいただきありがとうございます。障害者スポーツを通じて、障害や共生社会への理解が深まるような座談会にできたらと思います。皆さま、よろしくお願いします。
司会:早速ですが、堀越さんは、東京大会に続いてパリパラリンピックへの出場が期待されますね。そもそも障害のある方にとって、スポーツやパラリンピックとはどのようなものなのでしょうか。
堀越さん:スポーツといっても、体育の授業とか趣味とかいろいろある中で、自分は競技スポーツでマラソンをしています。障害によってできないことはありますが、競技ルールの範囲内では、障害のない選手と同じようなことをしています。パラリンピックは、「オリンピックのおまけ」と言われることもあれば、「障害のある人ががんばっている姿に感動する」と言われることもあります。競技を見た方々の障害の理解につながればと思いますが、自分は少なくともメダルを取るという気持ちでやっているので、パラリンピックに関していえば、オリンピックと同じ日本代表として見てもらいたいという想いはあります。
司会:メダル獲得までの道のりには、ご苦労も多かったのではないですか。
堀越さん:急にここまで来られたわけではありません。池田さんと宮野さんが19歳ということですが、自分も同じ年齢の頃に「特別全国障害者スポーツ大会」に出ているんです。その時はただただ楽しくて、続けるうちにパラリンピックにつながったのですが、大変なこともありました。それでも諦めないで一歩一歩次の目標、また次…とやっていった結果、メダルが取れたんです。これは障害の有無に関わらずスポーツに共通するところだと思いますし、何事も目の前の課題をクリアし続けていったら、昔憧れていたものが達成できるんじゃないのかなと。そういう意味では、スポーツって素晴らしいものだと思います。目標が作りやすくて、楽しいですから。
司会:他のスポーツもご経験があるそうですが、マラソンとの違いや、マラソンに特別な想いはあるのでしょうか。
堀越さん:もともとは水泳をしていて、マラソンは中学生から始めました。ちなみに、池田さんと宮野さんは、自分から「やりたい」と思ってソフトボールを始めたんですか?
池田さん・宮野さん:はい、そうです。
堀越さん:それが大事!水泳は好きでしたが、物心がつく前から親にやらされていたんですよ(笑)。自分のやりたいスポーツをやろうと思って始めたのが陸上で、自分で決めたことだから、つらいことがあっても乗り越えられるというのが、大きな違いです。
◇スポーツを通して仲間と通じ合う喜び
司会:池田さんと宮野さんは、10月に特別全国障害者スポーツ大会「燃ゆる感動かごしま大会」に大阪代表で出場されましたね。今大会やこれまでのスポーツ経験から得られたことを教えてください。
池田さん:自分にとっては、体を鍛えられるということと、仲間といろんな感情を分かち合えることだと思います。ソフトボールは、たまがわ高等支援学校の部活動で始めました。昨年の3月に卒業したんですけど、現役生だけではなかなか人数がそろわない状況もあって、今回は、OBとして現役生との混合チームで出場しました。平日は働きながら、週末に現役生と一緒に練習しました。
宮野さん:僕はセレッソ大阪が好きで、高校ではサッカーをしていて、主将で、昨年の2月には全国大会にも出場しました。また、池田くんと同じソフトボールをする機会もありました。スポーツをするようになったおかげで、人見知りが減ったり、声を出したりできるようになったと思います。
司会:「燃ゆる感動かごしま大会」の試合結果はいかがでしたか?
宮野さん:1勝2敗でした。2試合目の時に、4回裏の最後の攻撃で11対3で負けていたんですけど、みんなが諦めずにがんばって、サヨナラ勝ちできました。
一同:すごい!
池田さん:本来、試合は5回まであるのですが、「1時間経過後は新しい回に入らない」というルールがあって、この試合は4回が最終回でした。それで4回表にも相手チームに3点入れられているんですけど、その後に9点返して、逆転できました。とてもうれしかったです。
冨宅市長:それ、めっちゃいい1勝!これからも何かを乗り越えるとき、「あの時、諦めなかったな」と思い出すような出来事ですね。
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