「石と柏原のよもやま話」
現代の我々の生活では石が主に使われることはそうありませんが、古代の生活では石はとても重要なアイテムでした。
例えば、旧石器時代から弥生時代にかけては狩猟の道具などに黒曜石やサヌカイトという石などが使われていました。このサヌカイト、近畿地方では大阪と奈良の県境にある二上山が有名ですが、柏原市内にも旭ケ丘や田辺周辺などサヌカイトが採れる場所があります。西名阪自動車道柏原料金所の工事の際に見つかった奧山遺跡も弥生時代にサヌカイトを採り、石器を作っていた場所でした。ここで作った石器は柏原市内の遺跡や周辺の他の遺跡などに届けられたと考えられます。
他にも、古墳時代には多くの古墳の埋葬施設にもたくさんの石が利用されますが、そこにも柏原の石が関わってきます。古墳時代前期の竪穴式石室、その中でも箸墓古墳など特に古い時期に造られた大和の古墳の石室には芝山の石がよく使われています。ただし、どんな古墳にも使われるわけではなく、有力な限られた人しか使えないブランド物の石でした。
また、生駒山地をおもに構成する花崗岩(かこうがん)という固い石は、古墳時代後期の平尾山古墳群の横穴式石室や、時代は大きく離れますが、江戸時代に再建された大阪城の石垣に使われています。
山に囲まれ、色々な石材が採れる柏原は古代の人たちにとって、重要な資源の宝庫だったのでしょう。
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